電子書籍リーダー戦争勝者の条件--kindleかiPadか?

電子書籍戦争の行方はどうなるのか。「佐々木俊直のネット未来地図レポート」(有料メルマガ)の論考からポイントを抜き出してみました。

  • kindleは、アメリカでは2年あまりで300万台を出荷。2009年のクリスマス商戦ではアマゾンの紙の本を上まわった。
  • kindleの本命対抗馬は、iPadである。
  • kindleは専用機。iPadは電子ブックリーダー、動画、音楽ゲームなどを楽しめる汎用機。
  • iPadが優れている点。

1.汎用機としての魅力。タブレットは生活プラットフォームとして活用される可能性がある。オンのパソコンとオフのケータイの間を埋めるのがタブレットで、大きな画面を近距離かリラックスした姿勢で見るというニーズにはまる。そうなると専用機であるkindleは不利。
2.iPadiPhoneをベースにしている。すでに3万点以上もiPhoneアプリが全部つかえる。09年夏時点で3000万台を突破している。すでに慣れているので使い勝手がよく感じる。

1.可搬性の悪さ。大きく重い(700g)。バッテリーは連続10時間と短い。kindkleは2週間。
2.バックライト付きの液晶画面である。画面の輝度が高すぎて目がつかれやすい。
3.kindle259ドル(約2万3千円)い対し、iPadは499ドル(約4万5千円)

  • 音楽では、アップルはiTunesというアプリでいつでもどこでもどんな場面でも、自分が音楽を聴きたい瞬間に手元のデバイスから魔法のように楽曲をひきだすことができるようになり(アンビエント化)、圧勝した。
  • 電子書籍リーダー戦争のっゆくえをきめるのはプラットフォームだ。その条件は以下。

1.多くの人気書籍をラインアップできている。
2.読者が読みたいと思う本、本人は知らないが読めばきっと楽しめる本をきちんと送り届けられる。
3.すぐに、簡単な方法で入手できて、その時々に最適なデバイスを使い、気持ちよい環境で本が楽しめる。
つまり本をとりまく環境を、最もよい形で提供できるところが最終的に電子ブックリーダー戦争に勝つ。

電子書籍は、今まであった流通の問題の多くを解決していく。アンビエント化(環境、背景)を実現するエコシステムを構築し、多様かつ膨大な数の書籍をそろえ、さらに使いやすいインターフェイスを持ったアプリとデバイスを提供できるところが、電子書籍プラットフォーム戦争の勝者となる。
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iPadは、今月に無線LANでネットに接続するタイプ、来月には3Gの携帯電話データ通信機能を内蔵したタイプが登場してくる。このタブレット型を購入したいと思っている。