「宮尾登美子展」で「平家物語」が抽選であたった

天璋院篤姫」の原作者・宮尾登美子(1926年生まれ)さんの展示会が狛江市で開かれていることを本日の朝日新聞で知って出かけた。

小田急狛江駅の近くの泉の森会館で開かれていた展示は、狛江市の市制施行40周年記念事業の一つだ。宮尾さんは狛江市の多摩川沿いにスンで30年になる。最近、私は「錦」という小説を読んで、ファンにもなっている。
初めて書いた歴史小説である1984年の発刊の「天璋院篤姫」の原稿。1983年に第17回吉川英治文学賞を受賞した「序の舞」。エランドール特別賞を受賞した1996年の「蔵」。1988年に第16回の女流文学賞を受賞した「寒椿」。第80回の直木賞受賞作「1げんの琴」。
「仁淀側」の草稿。1973年に太宰治賞を受賞した「櫂」。

原稿を見ると、ずいぶんとしっかりした力強い字を書く人だ。大きな字。万年筆でしっかりと文字を書く。

自叙伝的四部作「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」は、主人公・綾子の生誕から26才までの物語である。綾子は芸鼓娼妓紹介業の父の不義の子である。そういった出生の秘密をあますところなく宮尾登美子は書いて吹っ切れた。

宮尾作品は、自伝的作品四部作、琴、香道、歌舞伎、茶道、日本料理などの伝統芸や伝統美を対象とした作品群、「平家物語」などの歴史小説、架空の主人公を描いた作品に分類できる。

ちょうど、抽選をやっていて引いたら思いがけず「平家物語」第二巻白虎の巻の初版の単行本ががあたった。この作品は、北海道の別荘にこもった5年間で3618枚の原稿用紙を埋めた作品である。宮尾は「無用のご来訪は固くお断りします」との葉書を播いていた。その作品である。縁があるということなので、読み始めることにしたい。

その後、市役所の近くにある中央図書館の「宮尾登美子文庫」も見学。