「2010年夏の総括−世界はどう動いているか」(寺島実郎)

秋のリレー講座開始。初回の本日は、寺島実郎学長。

  • 7/8/9の三ヶ月。米国西海岸・中東・アジア・欧州(「オランダ、、)を動いた。
  • 進化。尺取り虫のように進んでいくべきだ。三日会わざれば刮目すべし。
  • 1968年の英国のスエズ運河からの撤退。−米国のの進出−パーレビ王朝−ホメイニのイラン革命−米のフセインイラク援助−フセインの増長−イラク戦争−2010年米軍イラク撤退開始(2010年全面撤退)−アフガニスタンの泥沼−イラン(シーア派)の強大化
  • 全ては正・反・合。
  • 2010年9月21日。イラクでの米軍兵士死者4421人。イラク人死者15万人。
  • 「アメリカなき中東」の出現。
  • 中国の強勢外交。ソマリアの海賊防衛は自国のみで香港・台湾を守っている。「国際協調をとりつつプレゼンスを高めていく戦略」。中東は中国に対する警戒心が強い。
  • ロシア6月にイラン制裁に賛成した。ウクライナに親露政権誕生。中露+中東アジアの上海協力機構。中東の非核化。リーマンショックの教訓。
  • インド。
  • 米のオーバー・ザ・ホライズン戦略は、「覇権なき中東」の象徴。
  • 分断統治が、逆にUAEの結束を生んだ。
  • 日本。中東の日本への評価は極めて高い。技術力。非政治性。原子力技術。パレスチナ問題に中立。再生エネルギー技術。海水の淡水化技術、、。ただしイラク戦争自衛隊を派遣したのは間違いだったが一人の死者もなく恨みは買っていない。
  • 中国と尖閣問題。日本は中国から1.2兆円の入超(ブーメラン効果による赤字)。人流では日本人の中国訪問は逆の3倍。日中は互恵関係。米中貿易は日米貿易の2.5倍。人流では米国人の中国訪問は日本訪問より100万人多い。
  • 「日米で連携して中国に立ち向かう」という論は間違い。既に日米より米中の方が重い関係になっている。
  • 1972年に沖縄は日本に返還。尖閣は米国が施政権を持っていた。米国は領有権と施政権は違うという考え方で一貫している。尖閣は日本の領土とは言っていない。
  • 2005年の日米防衛協議では「島しょ部は米軍の対象外、日本の自衛隊が対応する」との了解事項。
  • つまり、米国大統領が判断して動くかも知れないし動かないかもしれない。(戦略的曖昧性)
  • 日本は専守防衛の中で、アジアに主体的に関与し、安全・安心を構築する努力が重要。誰かに依存してはダメで、問題を問題化させない外交戦略をとるべき。

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ホームゼミで3つのプロジェクト。
その後、3年生の相星君と碇君と進路についての面談。毎週2名づつ面談していく予定。
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「図解で身につく! ドラッカーの理論」(中経文庫)の1.7万部の増刷の連絡が入り、2ヶ月で10万部を超えた。