「内外景気の現状と今後の見通し」(嶋中雄二)

リレー講座の講師は三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の嶋中雄二さん。
景気の先行指標であるさまざまの業界の数字を丹念にウオッチし、現状を一言で掴み、今後を総合的に見通していくというスタイルだ。どこの統計数字を使っているかがわかり興味深かった。こういう仕事は細心の注意と粘り強さと、同時に大局観が要求される。最新レポートは下記HP。http://www.sc.mufg.jp/inv_info/business_cycle/
以下は、その結論部分。

  • OECD景気先行指数−−新興国から始まった減速が、先進国に波及。但し、インドと中国には底入れの兆しも
  • 中国経済−−金融引き締めから減速の芽が広がるが、製造業景況感は持ち直し
  • 米国経済−−2011年前半にかけて減速。但し、リセッションには至らず
  • 欧州経済−−10年はユーロ安で盛り返すも、財政危機は続き、今後は減速へ。但し、直近、M3が持ち直し
  • 韓国・台湾、インドの景気動向−−ピークアウト感の一方で、新たな回復への動きも
  • 日本の生産は、韓国の生産に半年程度遅行する

日本の景気指標

公共工事請負金額の推移・実質消費支出と家計消費状況調査支出総額の推移・住宅着工戸数とマンション契約率の推移・家電販売と消費者態度指数の推移

  • 2.消費・設備投資・輸出

乗用車販売の推移・機械受注の推移・百貨店販売スーパー売上高の推移・輸出総量の推移

  • 3タクシー、IT、コンビニ、外食

景気ウオッチャー調査、タクシー実車率・半導体製造装置BBレシオ半導体電子備品DGレシオ・中小企業景況調査・コンビニ売上高・外食店売上高

  • 4.物流、工作機械、不動産、広告

首都高速走行台数・輸出貨物取扱実績・工作機械受注・中古マンション価格・地方経済天気図・求人広告掲載件数

  • 大企業・製造業の業況判断DIは、前期比7ポイント改善してプラス8と、2年連続のプラスとなったが、12月までの先行きは、一転マイナスに
  • 自動車の生産計画−−10年10月で大底か? 円高も絡み、正念場
  • 地域と中小企業の景況感-10-12月期は弱含みか?
  • 日本の景気動向指数。09年2月を底に上昇傾向にあったが、10年4月にピークアウト
  • 日本の景気動向指数。09年3月を底に上昇傾向を続けてきたが、10年8月でピークアウか?
  • 日本の景気動向指数。09年11月を底にして、10年7月現在、次第に上昇基調が鮮明に
  • 設備投資の中期循環。底入れを示唆
  • 株価に遅れて動く地価。既に底入れか?
  • 日本経済の中期展望。09年マイナス1.9%、10年2.4%(猛暑、)、11年1.3%、12年2.4%(大統領選、)、13年1.7%(消費税増税
  • 戦後7番目の中期循環は、「環境・文化発信」の波。2015年度がピーク。
  • ドル・円は秋頃まで円高で推移した後、11年は緩やかに円安・ドル高へ。ユーロ・円は緩やかに円安・ユーロ高へ。ユーロ・ドルはドル安・ユーロ高で推移。
  • マネタリー・ベースの拡大で株価も上昇へ
  • 長期金利は今後、上昇基調に突入か?
  • 日本の長期金利と株価−−緩やかに上昇へ

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ホームページ、カリキュラムなどのミーティング。
ゼミ終了後は、高倉君、寺下君と進路についての面談。