「2010年の総括と2011年の展望」

午後大学で仕事をした後、東京丸の内へ。まず、オアゾ丸善で新著「遅咲き偉人伝−人生後半に輝いた日本人」(PHP)が一階のコーナーに並んでいるのを確かめる。

遅咲き偉人伝―人生後半に輝いた日本人

遅咲き偉人伝―人生後半に輝いた日本人

GIN総研主催の寺島さんの講演会で販売することになっているのでサインをする。
「2010年の総括と2011年への展望」というタイトルでの寺島講演。

  • アメリカ。軍事的には、消耗し立ち尽くしている、そして中東から引き下がろうとしている。経済的には経常収支の赤字を補っていた資本収支も赤字になっている。これがドル安の原因。-転換期に登場したオバマは、金融規制法、医療保険制度改革など戦ってはいるが、支持が低迷し、中間選挙で敗れた。
  • 日本。民主党マニフェストはズルズルと後退。何をしようとしているのか。団塊世代歴史観・世界観の貧困さが原因。たわいもない中年からたわいもない老年へ、、、。
  • 人口構造。1907年:4771万人。1966年:1億人(一人1000ドル・途上国を脱皮)。2007年:1.27億人でピークアウト。2046年:1億人を下回る。2100年:4771万人。日露戦争直後から200年かけてもとに戻る。定住人口は増えない、移動人口を増やす。アジアダイナミズムとどう向き合うか。
  • 貿易構造。2010年1-7月。アメリカは12.7%。中国20%超。大中華圏30%超。アジア50%超。
  • 観光立国論? 膨大なアジアからの訪問者を受け入れる覚悟はあるのか。リピーターを引き寄せるのは文化、情報などソフト面が重要。
  • 中国。中国は本当に成功しているのか? 欲望資本主義路線からは学ぶべきものはあまりない。
  • 日中の歴史。江戸時代までは文字、思想、宗教、暦、貨幣など中国の影響下にあり、超先進国中国の周辺国だった。鎖国とは中国からの自立の時代だった。日清戦争での勝利から戦争の時代へ。太平洋戦争はアメリカと中国の連携に敗れた。現在は日米連携で中国に向かうというが、米中の方が絆が強い。日本は近隣との信頼関係を築けなかった。新著「問いかけとしての戦後日本と日米同盟−脳力のレッスン4」の3つの論文をよんで欲しい。
  • 21世紀の日米関係。経済はTTP.軍事面では自立自尊を。米軍に基地占有権がある状態は国とは言えない。基地問題を段階的に解決して戦後を終わらせなければならない。

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終了後、そのまま新宿に出て、20時半からの宮城大の久恒ゼミの東京同窓会に参加。全部で8人。先頭は30歳を少し越えたところ。司法試験合格者、JR東日本楽天、マルチビッツという企業で新規事業開発を手がけている人、日経ディスコで人事関係の仕事をしている人、郷里に帰って就職する人、インテリジェンスという企業で原子力関係事業の採用を担当している人など。悩みはあるが、元気な様子だった。来年に結婚する人が二人いて出席を要請された。