「鳳凰と獅子」展。「内田九一」展。

サントリー美術館「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展。
実家の客間に亀井南冥の「吐鳳」の書がある。「鳳」とは何か、を探るためにこの展覧会を覗く。

鳳凰は優れた天使が世に現れる兆しを示す空想の高貴な瑞鳥である。帝王の善政を称え天下の泰平をもたらす瑞鳥。鳥の王。蛇、魚、亀、鶏、龍などを組み合わせ。五彩を備えている。
獅子はライオンが原型の威厳のある霊獣。「桐に鳳」「唐獅子にボタン」。四瑞として尊ばれたのは、麒麟・亀・龍、そして鳳凰。
獅子は仏教の教えを大切に守る動物として仏教において重要な動物。獅子は華麗な舞を舞う、祝儀にふさわしい動物。近代歌舞伎の「鏡獅子」(平櫛田中作品)のイメージ。
この鳳凰と獅子は用いられた工芸のジャンルが広く、古代から現代にいたるまで行き続けてきた息の長い意匠である。

  • 獅子の児おとし(歌川広重
  • 平等院の鳳凰。
  • 金閣寺の鳳凰。1950年の金閣寺放火の際、修理のため屋根から下されていたため火災を免れた。
  • 伊藤若冲の旭日鳳凰図は、あでやかな色彩で鳳凰の姿を生き生きと描いた作品。華麗で細緻な羽毛の描写は本家の明画をしのぐ。同じく若冲の樹花鳥獣図屏風の「鳥尽くし」の中心は鳳凰で、「動物尽くし」の中心は白象。
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富士フィルム写真歴史博物館「幕末・明治の写真師 内田九一」展。

内田九一(1844-1875年)は、明治天皇の「御真影」を初めて撮影した写真師、「東都随一」と称えられた写真師として記憶されている。32歳で早く世を去ったため、写真の上野彦馬、下岡蓮杖ほど知られてはいない。
第二部「肖像編」は、明治天皇、方安芳(海舟)、五代目尾上菊五郎、、など明治の元勲や歌舞伎俳優などの著名人の写真が展示されていて興味深い。

長崎で生まれ、蘭医ポンペの舎密学、松本良順を通じて福岡藩士・前田玄蔵に写真術を学ぶ。1865年に大坂に写真館「九一堂万寿」を開業。後に横浜・馬車道と東京・浅草で開業。1872年の明治天皇の西国巡幸に随行。三度にわたって明治天皇の公式肖像写真を撮影。この流れをくむ内田写真株式会社は創業140周年を迎えている。

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ニコニコ生放送東電株主総会民主党両院議員総会を見る。東電は社長の業績説明と監査役の報告が終わったところで放送は打ち切られた。民主党両院議員総会は議員の無気力さが目立った。