ティーチイン

大学で丸一日「ティーチイン」」と呼ばれている会議。
多摩大では伝統的に教職員が一緒になって共通の課題を検討する日を設けてきた。
今年は本日と12日の2日にわたって行われる。総勢50人ほどが参集。


  • 学部中期計画案の説明、来年度の学部運営の考え方と委員会メンバーの発表。(ここは私が担当)
  • 教員と職員で構成することになった各委員会ごとに最初のチームビルディング。課題の確認と来年度スケジュールをつめる。12日に発表。16日の教授会で確定。
  • 「ゼミの多摩大」の方針に向って、一年次のゼミのあり方の議論。この結論を明日の教授会にかける。

2012年度からの3か年の学部中期計画を職員に説明する初めての機会であったので、やや詳しく説明した。進むべき方向、具体的な目標、、、など全員が明確にイメージできただろうか。

来年度の学部運営については、「教授会は方針、委員会は方策」「教職員で構成する委員会中心体制」「課題解決型・問題解決型委員会」「「スケジュール重視」「厚い執行部」、、など、組織的に仕事をしていくことを念頭に置いた運営を目指すことになる。

3月から実質的に新しい体制がバトンを受け取りながら走り始めることになり、この一か月間の助走を経て4月からは全力疾走。

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本日読了した教育者・森信三(1896年生まれ)のベストセラー「修身教授録」の抄録「運命を創る」(致知出版社)に参考になることが書いてあった。

孔子の「吾れ十有五にして学に志す」の「学」とは、大学の道に志すという意味である。大学の道とは、わが身を修めることを中心としつつ、ついには天下国家をも治めるに至る人間の歩む道のことだそうだ。

それを体現した二宮尊徳は、午前一時、二時に起きて夜明けまでの数時間を読書と著述にあて、その結果生涯の著述は全集36巻を数える。これは日本人の全集の中で最大だろう。

「雑務と思うから雑務となる」「拙速主義」「下座行」(実力以下の地位にありながら真面目にその仕事に精励する態度)、、。

知研セミナー:寺島実郎「原発とエネルギー」

今年度の寺島セミナーの中心は、「エネルギー」。

  • 原子力は一定程度保持すべきだ。原子力の平和利用に徹した国の代表としての自覚。技術基盤の蓄積と専門人材の育成という国際貢献の視点。
  • アメリカ。原子力ルネッサンス。スリーマイル事故から30数年。原発をつくらなかったが、この2月に2基初めて増設、そしてサウスカロライナにもう2基。小型原発。マンハッタンの北57キロのインディアンポイントの原発が古いタイプのマークワン(福島と同じ)、これをどうする?
  • 石炭が高効率になってきている。
  • 米原子力共同体における位相の転換が起こっている。2006年の東芝ウェスティンハウス買収、2007年の日立・GEの新会社、フランスのアレバ社と三菱重工の合弁、など日本企業が原子力の中核になってきたという現実。
  • 原子力の民生、平和利用については日本が中核的担い手になってきた。このことを自覚した上でどう考え、どう再構築するか?
  • 1951年の九電力体制(ポツダム政令・火主水従)。1953年。アイゼンハワーの平和利用。日本の核アレルギー除去キャンペーン、中曽根・正力。広島に原発を。1955年、全国平和利用博覧会。原発基本法。1957年、米と契約、ウラン、プラント。1966年、英国製。1970年、敦賀(GE)、三島(ウェスティン)、福島(GE)。
  • 米国の核の傘に入っていて、脱原発で済むのか?
  • 技術を持っている立場で平和利用の進化。原爆はいつでもつくれるがつくらない。
  • 3.5万人の原子力工学の卒業生。9千人は電力会社。2.4万人がメーカー。
  • 現在の案は財務省主導。アメリカ型。賠償会社になってしまう。モチベーション低下。
  • 国家が原発部門だけを切り離して統合する。技術者の分散配置の問題。危機的対応能力の問題。経済性探求の論理の問題。経営リスクの限界を超えられないという問題。だから国策統合会社で総合管理が必要。フランス型がいい。開かれた推進体制。
  • 中国、ロシアの原発は高度になりつつある。
  • アメリカ。再生エネルギー熱はしぼんでいる。助成金が必要という弱点。雇用を生まないという弱点。天然ガス(日本16ドル・欧州9ドル・米2.27ドル)シェールガスへの動き。シェールオイル。油田の発見以来の高揚感。シェールガス革命。北海油田以上。」米中連携。非FTA国には売らない?
  • 日本近海のメタンハイグレードは日本のシェーリガス。資源大国への道。海洋と宇宙の相関。
  • 美しい言葉に騙されていけねい。絵空事でなく。どうしたらいいかを考えよ。