銅版画家・南桂子生誕100年展。

南桂子生誕100年展。
義父のお見舞いのついでに群馬県の県立舘林美術館を訪問。この美術館は「自然と人間」をモチーフとしている。

腐食銅版画家の南桂子(1911-2004年)は、富山県高岡市で生まれた。祖父は高峰譲吉の妹であるなど、政治家、学者、弁護士など極めて高い教養に恵まれた一族である。

34歳で上京し、小説家の佐田稲子の紹介で壺井栄に会い、童話作家を目指す。
そして銅版画の浜口陽三と宿命的な出会いをし、銅版画に向かう。
43歳、浜口陽三と一緒にフランスに渡る。ニューヨーク近代美術館のクリスマスカードに銅版画「羊飼の少女」が採用される。1958年年には国際連合児童基金ユニセフ)のグリーティングカードに作品「平和の木」が採用された。
61歳、28年余り住んだパリを浜口とともに米国サンフランシスコに居を移す。
85歳、日本に帰国。浜口は2000年に死去。
93歳、南桂子死去。

浜口陽三と南桂子は夫婦だった。私生活は夫唱婦随であったが、画業の分野では同じ銅版画を競い合った。
南桂子のモチーフは、少女、鳥、魚、船、樹木、塔などの童画的であり、心をなごませる。