篠山紀信「写真力」--ハッと感じたら、グッと寄って、バチバチ撮れ!

いきなり三島由紀夫の死の直前に撮った縛られて死を迎えた裸の写真と日本刀を持って構える三島の殺気溢れる大きな写真をが目に飛び込んできて驚かされる。大きい写真はやはり圧倒的な迫力で迫ってくる。
篠山紀信(1940年生れ)は、50年に亘って衝撃的なメッセージを送り続けてきた写真家だ。回顧展を一切やらなかった篠山が初めて放つ美術館を使った写真展である。

テーマとなっている「写真力」について篠山はこう言っている。
「写された方も、撮った者も、それを見る人々も、唖然とするようなスゲエー写真。、、時空や虚実を超えて、脳裏に強くインプットするイメージの力が写真力ってわけだ。、、、人知を超えた写真の神様が降りて来なくちゃ、すごい瞬間は立ち現れないんだもの。その為には、あらゆる努力をする。、、、、」

GOD(鬼籍に入られた人々)。美空ひばり三島由紀夫、大原れいこ、勝新太郎武満徹、、、。
STAR(有名人)。吉永小百合、澤 穂希、王貞治、。
SPECRACKLE(夢の世界)。ディズニー、大相撲、刺青の男たち、歌舞伎、リオのカーニバル、、。
BODY(裸の肉体、美とエロスと闘い)。宮沢りえ、ウラジミール・マラーホフ、、。
ACCIDENTS(東日本大震災被災者)。

生々しいメッセージ、大きな迫力で迫ってくる生き方、生命を感じる裸体、極限の筋肉の裸体、不動の伝統と歴史の力、、、。確かに「写真力」という言葉に納得する企画展だった。

    • ハッと感じたら、グッと寄って、バチバチ撮れ!ハッと感じる自分の完成を磨く。いい音楽を聴く、好きな芝居を見る、ふらっと旅に出る、いい女と付き合う、うまいものを食う、、、なんでもいいんだ、いいものに、敏感にハッと感じる感性を身につけよ!
    • 仮面の上に仮面をつけることこそ、その人のリアリティを獲得することだと思っている。

篠山は日大芸術学部写真科在学中から広告制作会社で仕事をし、第一回日本広告写真家協会展公募部門APA賞を受賞している。卒業後は、1966年26歳、日本写真批評家協会新人賞。1970年30歳、日本写真協会年度賞。1972年32歳、芸術選奨文部大臣新人賞。1973年33歳、講談社出版文化賞。1979年39歳、毎日芸術賞。1998年58歳、国際写真フェスティバル金賞。

こういう素晴らしい経歴であるが、時代の最先端を走るメディアで世間を驚かせてきた。シノヤマの名前は同時代を生きる私たちには馴染みが深い。

「気ままにアートめぐり─印象派、エコール・ド・パリと20世紀美術」
モネ、ルノワールなどの印象派から、セザンヌを経てマティスピカソなど20世紀に至る西洋美術の展開を中心に、藤島武二青木繁などの日本近代洋画、そして戦後の抽象絵画を含むブリヂストン美術館のコレクション約170点を観賞。
石橋正二郎ブリジストン美術館」「コレクター石橋正二郎--青木繁坂本繁二郎から西洋美術へ」を購入。

石橋正二郎(1889-1976年)は、家業の仕立物屋から出発。足袋の底にゴムを貼りつけた地下足袋で成功。その後、自動車時代を見据え、ゴムの生産技術を生かした国産タイヤに進出。今日のブリジストンの創業者である。また石橋は鳩山一郎の後援者としても知られている。そしてもう一つをの顔が美術コレクターである。

クリスマス前の3連休の日曜日ということで銀座は物凄い人出だった。娘と婿と「FUJIYA」で待ち合わせて、「銀座すし勘」で食事。
帰宅後、女子フィギュアで浅田真央らの演技を観る。