寺島実郎・溝畑宏対談「オリンピックとIR」

寺島実郎溝畑宏対談「観光立国ニッポン、2020東京オリンピク・パラリンピックとIRで日本を元気に」。溝畑さんは大分フットボールクラブ社長で、元観光庁長官。

寺島。

  • 多摩大グローバルスタディーズ学部を「観光とサービス」で輪郭をはっきりとしていく。
  • 日本の人口は1966年の1億人から40年かけて3000万人増やし2008年に1.28億人でピークアウト。40年後の2048年には3000万人減って1億人に。人口減を衰亡にしない知恵。「移動と交流」。
  • なぜ観光立国か。工業化モデルではこれ以上豊かにはなれない。「脱工業化モデル」。この10年で500万人が製造業からサービス業へ移動したが、年収は120万円ダウン。サービス産業の高度化が必要。香港は3・8万ドル(1人あたり)と日本と並ぶ。それは1億人の中国人海外渡航者のうち400万人が訪問し経済を豊かにしたから。2013年に1000万人に達し、3000万人にしようとする観光立国戦略には、シンガポールや香港がヒント。

溝畑。

  • 地方には財政に依存しないで、本気でプロデュースしブレークスルーする人材がいない。
  • 「誇り」の教育。
  • 観光は総合戦略産業。
  • 日本の良さは、治安・四季・自然。
  • ハードの準備がようやく始まった段階。本気に。wifiイスラム礼拝堂などのムスリム対応、、。
  • 韓国のクールコリア戦略。ドラマ・K−POP。海外へ。

寺島。

  • 「移動は人間を賢くする」。人類は6万年前から移動を始めた。環境適応動物。観光は異次元空間に身を置くこと。
  • 思想の軸としての「IR」。ハイエンド観光産業が必要。リピータを惹きつける装置と物語が必要。

溝畑。

  • 外需の取り込みと内需の活性化。ハイクロリティなサービス産業。人は夜に金を使う。宿泊・エンターテイメントの充実。スポーツ、文化、ショッピングなど選択肢が必要。国際会議場・ホテル・展示場などの総合力。

寺島。

  • 「光と影」の同居というやわらかさが必要。遊興と娯楽の許容。ある種のいかがわしさ。大人社会のやわらかさ。老若男女が楽しめる空間。
  • 藤沢:2027年の中央リニアが相模原。圏央道がつながり相模原IC。相模原がキー。ミシュランの3つ星はフランスの国家戦略。ここはインダストリアル・ツーリズム(産業ツーリズム)がいい。インフラと人流。物語形成力。構想力。

溝畑。

  • 藤沢を東京オリンピックの中でどう位置づけるか。IRにどうからんでいくか。健康長寿。食文化。女性目線。

寺島。

141027

藤沢商工会館ミナパークで行われた多摩大グローバルスダディーズ学部主催のシンポジウム。
テーマは「グローバル化する観光産業の人材育成と活用?」。
太田哲講師「アジアの若者文化に観る「旅」意識の変化と藤沢」

  • 欧米はアニメやゲーム中心。アジアは加えてテレビドラマや音楽も人気。文化的無臭商品。
  • 90年代初頭までは欧米一辺倒。90年代から日本の態度が変化(深夜番組でアジア紹介。小室ファミリーやV6などがアジアでツアー。アイドルシステム養成などのフォーマットビジネスが中心)。
  • クールジャパン:90年代後半から日本のポピュラー番組が英語圏で注目され始めた。GNC。外務省と経産省を中心にポピュラーカルチャーを推進。ポピュラーカルチャーの特徴は大都市・女性文化・若年層文化。きれいで清潔な光の文化、それが街づくりに反映されている。
  • クールジャパンは単発的だった。パッケージが必要。
  • 藤沢:エクストリームスポーツ、祭り、冬の富士山、藤祭り、江の島、、。

寺島実郎溝畑宏対談「観光立国ニッポン、2020東京オリンピク・パラリンピックとIRで日本を元気に」。