トヨタ自動車のエンジニアが講演の打ち合わせに来訪

トヨタ自動車のエンジニアが二人が豊田市から研究室に見えた。彼らの名刺には「愛知県豊田市トヨタ町1番地」と書いてあった。


7月末に予定している講演の打ち合わせが目的である。3万人以上の技術者で構成されているトヨタ技術会での講演だが、過去数年の講演者のリストを見ると、「職人学」の岡野雅行、「失敗学」の畑中洋太郎、そして「カミオカンデ」でノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊、という錚々たるメンバーだったので驚いた。そして、受講者は技術者、経営者を中心に7−8百人というから相当大型の講演会である。私ともう一人の講師は日本刀を作っている方で、NHKのプロジェクトXでも取り上げられた人物だそうだ。


トヨタの社員とは今まであまり縁がなかったので興味があり、現在の一番大きな課題は何か、などこちらも聞きたかったことをいくつか質問したので、少し様子はわかった。


月曜日の「ビジネス情報論」という講義では、本日の来訪にあわせて先週と今週はトヨタの人材育成をテーマとした図解に取り組んでいたから、できあがったほやほやの学生が描いた図解40枚ほどを見ながら話が弾んだ。資料に関する学生たちの鋭い指摘に世界のトヨタもタジタジだった。


二人の技術者は30代の名古屋工業大学出身の技術者で、率直にモノを言う姿に好感を持った。大学を少し案内したが、ドーム状の本館の中央にあいた巨大な空間と90段の階段に感心してくれた。


彼らはきっちりした打ち合わせを行っていったが、トヨタ会館の見学、懇親会などあらかじめ案内者や挨拶するお偉方の名前、そしてスケジュールが分刻みでが決まっていて遺漏がない感じがした。トヨタの仕事振りの一端を覗いたようだ。


中部国際空港株式会社トップ、NHK理事、郵政民営化会社のトップ、首都高速道路社長、などトヨタ出身者には需要が多い。トヨタは日本の産業界全体を天下りの対象としている感もある。会社が栄えるということは素晴らしいことである。