連載「団塊坊ちゃん青春記」第21話----イギリス駐在編1(日本人の苗字)

○日本人の苗字


入社して6年目、海外に勤務するチャンスがやってきました。勤務地はイギリスのロンドンで、実習生という身分で結果として1年と数ケ月の滞在となりました。


私はロンドンで、次のように呼ばれていました。「永遠に純粋な男」と。一体なぜだと思いますか。私の苗字は久恒ですが、この文字の意味を考えてみますと、「久」を英語でいうと、「ever」であり、「恒」も英語では「ever」となります。つまり「久恒」は、「久しく久しい」という意味になるのです。一方、私の高校以来の、ペンネーム(高校時代、自分を詩人と考えていました)は、「純」でした。つまり英語で言うと「pure」ですね。そこで私は自分のことを「Mr. Pure Forever」つまり「永遠に純粋な男」と呼ばせていた訳です。


もっとも口の悪い友人達は、「Mr. Poor Forever」(永遠の貧乏人)と言っていましたがね。

さて、日本人の苗字を英語に訳してみることにいたしましょう


横松 besides the Pine

高野 Upper Field

松下 Under the Pine

久保 Ever Hold

清源 Clean Origin

畑迫 On the Field

島 Island


さて、どうでしょう。こうやってあらためて考えてみますと、日本人の苗字には、自然にちなんだものが、何と多いことかと、気がつきますね。そして、日本という国が美しく、豊かな自然にめぐまれているということをつくづく感じます。

しかし、おかしな苗字もあるのですよ。私の友人の平山君が、自分の名字を英語に訳したらどうなるのかなアと云いました。私は早速、平山=Flat Mountainと訳しましたが、おかしなことに気がついたのです。そもそも、山というのは平べったいものではないということです。平らな山、一体こんな山があってよいものでしょうか。