出処進退の美学

「自民 歴史的大敗」(朝日新聞)となった。今回の選挙は自民党の敗北であって、民主党年金問題を中心とした敵失を選挙戦略を上手にとって生かしたものではあるが、必ずしも民主党の勝利であるとは言い切れない。それが新聞各紙のトップニュースの見出しに現れている。

いずれにしても政権を担う力のある2大政党制への展望が開けた選挙だった。安部続投はリーダーの出処進退という面からみると不可思議な印象である。この政権には出処進退の哲学と美学がない。退路を断って戦った小沢民主党代表との差は大きく、安部自民党政権は傷口をさらに広げることになるだろう。