河口湖で初のゼミ合宿、和紙人形美術館(高木栄子)

k-hisatune2008-08-03

河口湖で初めてのゼミ合宿。京王線、中央線、富士急と乗り継いで到着。富士山には冠雪がなく、間延びした印象を受けた。
ホテルに向かう途中、タクシー運転手に人物記念館の取材をする。人形師の与勇輝、和紙人形の高木栄子、絞りの着物の久保田一竹、ネコの絵の池田あきこ、などの情報をもらった。知っていた中原淳一記念館はすでにないそうだ。この夏の旅行の参考にしたい。
湖畔のホテルの隣に「和紙人形美術館 紙わらべの蔵」があり、早速訪問する。和紙に魅せられて半世紀にわたり、和紙を使った子供の人形づくりに取り組む高木栄子の作品展示場だ。86歳の現在も元気に作品をつくり続けているそうだ、昭和初期の日本の子供をめぐる様子がよくわかる抒情的な作品群である。「祭りの縁日」という作品では、古道具屋、瀬戸物屋、履物屋、古着屋、駄菓子屋、塩干物屋などの様子と子供たちの様子が克明に描かれていて、懐かしい。「金子みすずの童謡「ばあやのお話」、そして「めだかの学校」、「通りゃんせ」、「線香花火」、、。「逝きし世の面影」が和紙人形という方法で復活している。高木栄子は43歳から和紙細工を始めている。45歳から紙わらべ創作を開始。皇室に献上したり、NHKの婦人百科、おしゃれ工房などでも紹介されている。高木の人形には目や鼻がない。みる人の想像にまかせるというが、確かにない方が個々の表情より雰囲気や全体を感じることができる。人形一体に一日かかることもあり、一つの作品なら半年というスパンでやっと完成となる。この建物は、高木の作品を愛する人たちがお金を出し合って最近建った。
宿では、今取り組んでいるプロジェクトの検討を行った。多摩市のある施設に対する総合的な改善提案がテーマで、9月中にはまとまる予定。これを久恒ゼミのデビュー作として秋以降活発に活動していきたい。午後と、夜の時間を使って学生たちは熱心に課題に取り組んだ。途中、私の考えやゼミの方向なども語った。