「図解VS文章」(久恒啓一・樋口裕一)(プレジデント社)

図解vs文章―ビジネスにはどちらが強い?どちらが役立つ? (ピンポイント選書)

「図解VS文章」ビジネスにはどちらが強い?どちらが役立つ?
久恒啓一(図解教の教祖) 樋口裕一(小論文の神様)

  上司の説得に使えるのはどちら?賛同者を増やしたいときに向いているのは?
  図を描く、文章を書く、一冊で両方わかるその技術!

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「図解は、相手を攻撃することができない。説得ができない」
「文章だと、社内に「勝ち組と負け組」をつくってしまう」
「図解教の教祖」と「小論文の神様」が、真っ向から対決!
あなたのビジネス文書、図解で描くべきか、文章で書くべきか?答えは本書に!

ビジネスの現場で最も大切なことは、コミュニケーションです。なぜなら組織内外のコミュニケーションがうまくいかないと、企業は品質の高い商品や、すぐれたサービスを生み出すことができないからです。そのコミュニケーションは文章を中心に行ってきましたが、文章には書き手自身がよくわかっていなくてもごかますことができるという特徴があり、読み手の側からの誤解と曲解にさらされるという危険があります。それがさまざまなトラブルを引き起こす要因になっています。

しかし、図解は全体像と部分同士の関係が表現されているため、事柄の本質がひと目で理解できるのが特徴です。そして自分も他人もごかますことができないために、深い議論へと発展していきます。又、図を描くということは深く考えることなので、自分の頭で考える習慣が自然と身についていきます。図解にはなぜこのような力があるのか。それを文章と比較しながらみなさんにお話したいと思います。 

    • 文章派の宣言--樋口裕一

文章を書くということは、考えるということです。厳密なことを確認して、一つひとつ検証していくのが文章です。文章とはまさに論理です。ものごとを論理的に詰めていく手段です。
図解は図解ですぐれていると思います。久恒さんの本には非常に説得力があると思います。ただ、人間は言葉で考えるものです。人を説得するときも言葉を使います。久恒さんの図解の本にも、図だけではなくちゃんと文章がある。やっぱり文章は必要なのです。

説得する材料として、図解は非常に有効だと思います。でも、説得とは基本的に「攻撃的なもの」です。「確かにあなたのいっていることはわかる、しかし、、、」と切り返して、さらに攻撃し、説得する。さて、図解には、その攻撃性=説得力があるでしょうか。
本書の中で、文章と図解、どちらがビジネスの現場で役に立つのか、じっくりと考えていきたいと思います。

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目次
 1章 久恒啓一流 「図解ビジネス文書」の極意
    ビジネスに必要な能力
    文章によるコミュニケーションの問題点
    協働・共生のコミュニケーションスールが図解
    実際に図を描くには?
 2章 樋口裕一流 「ビジネス小論文」の極意
    ビジネス文章に最適なのは小論文
    「樋口式四部構成の型」を使えば論理的ビジネス文書が書ける
    樋口式小論文がビジネスに適している理由は?
    小論文はコミュニケーションツール
    ビジネス小論文を書くときの注意点
 3章 対決演習!同じ素材を図解に、文章にしてみると?
    例文 ODA汚職--氷山の一角ではないのか
     久恒式「図解」による社説
     久恒式「図解」の解説
     樋口式「文章」による社説
     樋口式「文章」の解説
 4章 対決対談! 図解と文章、どちらが強い? どちらが役立つ?
     「文図両道」の可能性をさぐる