故郷を離れた人ができる故郷への貢献の一つの方法

文化総合誌「邪馬台」の2008年冬号、通巻169号が郷里の中津から届いた。

平成20年12月1日現在の同人のリストが載っている。同人数は381人というから大したものである。
中津、大分、玖珠、三光、北九州、豊前、豊後高田、本耶馬渓、別府、札幌、福岡、宇佐、東京、神奈川、北九州、東国東、吉冨、耶馬渓、山口、飯塚、上毛町つくば市、兵庫、京都、仙台、大阪、山国、千葉、築上、茨木、鎌倉、愛知、と全国に同人は広がっている。名前を見ると、同級生がいたり、先輩がいたりする。中津やその周辺以外の同人は、私も含めて郷里を離れてこの同人誌の匂いを嗅いでいる人たちだろう。

また、新入同人紹介欄があり、17人が入っている。個人名もあるが、トーコーメガネ、ハートフル動物病院、カートピアキクチ、松本技術コンサルタント、木の器工房、スマイルフレンド、大分銀行中津支店、アトル中津支店などの企業の名前が並んでいる。こういった活動を支援する企業が増えるとこの優れた同人誌も命をつなぐことができる。そして同人となった企業の中で、このような文化活動に興味を持つ人が現れたり、住んでいる街の文化の香りに浸る人が出てくるのは素晴らしいことだと思う。

今号も充実している。

  • 「評論」は、「中津市学校」と福沢諭吉
  • 「詩」は、「残光」、「密柑」、「コードK]、「嘘のような本当の話」
  • 漢詩」は、日本漢詩同好会
  • 「旅行記」は、「人物記念館の旅」、「スウアンシー」、「県民オペラでイタリアへ」、「万葉歌碑を訪ねる旅」
  • 「随筆」は、「すべては音楽から始まる」、探訪記 耶馬渓鉄道廃線の跡を訪ねて」、「現代百姓の暮らし」、「教育職における女性管理職進出について」、「研修in 長崎」、「聖書その他」、「そんときはそんとき」、「ジャズ挿画」、「私の禁煙記」、「山芋のつぶやき」
  • 「自分史」は、「カクヤンの歌 私の大学」、「学徒勤労動員・名古屋出動記」、「定年後を生きる」
  • 「研究」は、「コミュニティは生きている―道州制・温暖化」、「伊勢物語
  • 「短歌」は、「邪馬台歌壇」、「えびね短歌会詠草」
  • 「川柳」は、「邪馬台柳壇」
  • 「俳句」は、「邪馬台俳壇」、「中津各地区句会作品」
  • 連句」は、耶馬渓連句の会作品
  • 「創作」は、「鳶の笛」、「ラブレター」、「お祖母ちゃんと勉強」
  • 「創作批評」
  • 「埋草」が、16本
  • 「編集後記」。

計174ページの堂々たる文化同人誌だ、と毎号思う。同人の高齢化もすすみ、この同人誌もいつまで続くだろうかと不安になることもあるが、最近はまた持ち直してきた感じがする。故郷を離れて暮らす人は、郷里のこういう活動を支援することも大事な貢献ではないだろうか。

私は毎号「人物記念館の旅」を連載しているが、今号は「吉川英治記念館」を書いた。

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22日の朝日新聞に「黄金のガイドブック」の広告。