週刊誌の記事から--トヨタのトップ人事と構造改革反省の弁

・12月23日の朝日新聞のトップは、トヨタ自動車のトップ交代だった。この記事は朝日だけで、日経などは沈黙したままだった。このブログでは、「大スクープか、世紀の大誤報か」というタイトルで感想を述べた。

その後、ある週刊誌(どの週刊誌だったかは忘れた)は、この朝日の記事をフライング気味だという論調で「渡辺トヨタ社長が怒った!」という見出しの記事を載せている。その中で日経新聞出身の作家に「博打のような感覚で書いたとしたら、あまりにも志の低い記事と言わざるをえないですね」と言わせている。
しかし、その後の経緯をみても、この記事の方向で舞台がまわっているようだから、エース級の記者の競り合いで朝日が抜いた、ということだろう。

トヨタが今回の不況で一気に赤字に転落するということは、意識的に赤字にしたというようにみえる。ショック療法と同時に、従来の懸案事項を一気に片付けて次の時代を重心を低くして迎えるという経営の意思表示だろう。

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・「週刊朝日」に構造改革の旗振りだった中谷巌氏の「改革が日本を不幸にした」というインタビュー記事が載っている。

  • 経済学で記述できることは、社会全体の2−3割に過ぎないとわかってきたのです。
  • 今は「アメリカ流の構造改革は日本人を幸せにしない」という、確信に近いものを持っています。
  • 新自由主義」を信じて、構造改革の片棒を担いできました。
  • かっての私は「改革」の片面しか見ていなかったのです。
  • 竹中氏のいうように今なお「改革を徹底しグローバル資本主義がしかkり機能すれば、これらの問題も解決されてゆく」と考える人もいますが、私はそうは思いません。
  • この危機的な状況はグローバル資本主義の「本質」によるものだと思いいたったからです。
  • グローバル資本主義は、世界経済を著しく不安定化するとともに、エリート層に都合のいい、大衆支配や搾取のツールになっています。
  • 私の懺悔と提言をまとめた「資本主義はなぜ自壊したのか」、、、、。

過去に犯した過ちを認めた格好の記事であるが、読む人は「今さら何を言うか」という人と「勇気ある発言だ」という賛否両論のようだ。