「アートとテクノロジーの融合」

k-hisatune2009-04-10

2限は、「マネジメントデザイン1」の講義の初回。
この科目は「図解コミュニケーション」を学ぶ科目で違う名称で申請したが、マネジメントデザイン学科の必修科目にするということになって、こういう名称になった。以下、シラバスの科目概要より。

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どのような経営体にも経営資源がある、それはヒト、モノ、カネ、時間、情報、システム、技術、人脈、ブランド、理念、歴史などである。ビジネスにおいてはこれらの経営資源をコミュニケーション活動によって活性化させ商品やサービスをつくりだし、それを外部に販売する。そして売った商品に対して、CS(顧客満足)活動によって苦情や意見を消費者から受け取り、再び経営資源を活性化させ、商品を改良し、新商品につなげていく。ビジネスとはこういったコミュニケーション活動の一連の流れのことである。
この講義では、上述の観点からビジネスにおけるコミュニケーションと情報に焦点をあて、今までの文章と箇条書きを中心とした情報処理の欠陥を克服するため、図を用いたコミュニケーションの理論と技術を学ぶ。毎回、実習を行いビジネス現場で役に立つ「図解コミュニケーション」という新しい武器を身につけてもらう。

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オリエンテーションということで、考え方や進め方などを中心に講義を行う。今年は配布資料をできるだけ少なくして、インターネットと私のホームページを使ってやっていきたいと思う。終了後のアンケートは、授業に期待するという人が多かった。初回は、160人の出席だった。


午後からの3限は、今年から始まった「プレゼミナール」。教員4名がワンームとなって、4週間ワンクールで、12名の1年生を担当し、春学期の間に1人の教員が48名の学生に接していくということになっている。私たちのチームは、椎木先生(経営)、中村その子先生(英語)、山原先生(会計)と私で、「21世紀型企業を考えるために、まずNPOをつくってみる」というのが大テーマだ。
今日は合同授業で、キャプテンの椎木先生の講義が中心だった。椎木先生は多摩大創立以来の教員で、最初の多摩大についての説明が興味深かった。

  • 建学の精神=学際性。マージナルマン仮説(境界人)、際に立って両方がわかる人。寺島学長の「実学」。
  • ベンチャー精神。中村秀一郎初代学部長。
  • 自己表現力

「私は○○を通じて社会に貢献したい」これが志で、○○が「事業」。

  • NPOは利益を構成者に分配してはいけない。
  • CSR(企業の社会的責任)の流れから、企業はNPOに近づいていく

具体例をビデオでみせる。
病児保育・教育支援・障害者雇用・国際協力、、、。

私自身も勉強になった。

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17時に表参道で、多摩大の星野先生と待ち合わせて、株式会社青山プラニングアーツという会社を訪問する。「アートとテクノロジーの融合」をテーマとしている企業で、その尾中謙文社長に会う。
北京オリンピック招至致委員会が全世界に行ったプレゼンソフトを作成し誘致に成功、民主党衆院選挙(2003年)、参院選挙(2004年)のコミュニケーション戦略を担当し成功、東京海上の全商品の説明ソフトの作成、スルガ銀行のIR、などを、レベルの高い動画技術で成果をあげている。
パソコン上で映像を一気に見せてもらいながら説明を受けながら、対話をする。映像の撮影技術、動画技術、プロデュースなどが相まって、大きな可能性を感じさせるシンクタンクだ。そしてメディアプラットフォーム事業として、「社長テレビ」http://shachotv.jpを開設している。野田一夫先生と田坂広志先生の映像を以前にみたが、すぐれた作品だった。コンテンツも素晴らしい。このテレビの社長は120人くらいまでになっているそうだ。

尾中社長のやっていることは、映像シンセサイザーとでも言うのだろうか、圧倒的な映像のフラッシュで対象の総体を理解させ、共感を得ていくというビジネスだ。ハイテクノロジーが支えているアート表現である。もともとは作詞・作曲というアート系の人だが、最先端テクノロジーを使いこなしている。そこに強みがある。志の高い起業家である。刺激をもらっていろいろとアイデアが浮かんでくる。

帰りにもらった資料をみていると、尾中さんは「午前中は経営、午後は営業、夜に創作活動」というライフスタイルだった。