「レッドクリフ PART2」----「反戦」がテーマの戦争映画

208年12月、長江中流の赤壁という場所で、魏の基礎を築いた曹操(兵力80万)と、蜀を建国する劉備と呉の礎を築いた孫権連合軍(兵力5万)の戦いが行われ、孫権の宰相・周ゆと劉備の宰相・諸葛孔明の火攻めによって、曹操は2千隻の大艦隊を失い、敗れ兵を引いた。

このあと中国は魏・呉・蜀の三国鼎立時代を迎える。その物語を、愛と友情の物語として中国人監督・ジョン・ウーが描き直した大作が「レッド・クリフ」である。中国映画の水準を一気に高めた傑作である。

「私たちが暮らしている今は、過去に生きた人々の勇気ある行動が積み重なってできてきました。世界的不況・不信の時代だからこそ、一人一人の決断で今を変えて新しい未来を作りましょう。みなさんそれぞれの「奇跡」を起こす時です」(親愛なる日本の皆様・ジョン・ウー

  • 周ゆ(連合軍の最強指揮官)「集中力さえあれば、小石で巨人を殺せる」
  • 孔明(風を読み、人を動かす天才軍師)「約束した事は、最後まで違えません」
  • 曹操(天下統一を目論む、帝国の支配者)「赤壁を落とせねば、歴史は私を何というか」
  • 孫権(父と兄の遺志を継ぎ、未来を拓く若き君主)「呉の誇りのためだ、勝てなくても戦わねばならぬ」
  • 小喬(戦いの鍵を握る、愛に生きる美女)「私は民のために伺いました。この戦いをやめてください」
  • 尚香(乱世に身を投じ、共に闘う君主の妹)「必ず、戻ってくる」
  • 甘興(果敢に敵陣に攻め込む寡黙な武人)「海賊と蔑まされたが、誇りを失わなければそれで十分だ」
  • 趙雲(命を賭して忠義に尽くす勇猛な武将)「こんな傷、線上に出れば治ります」
  • 劉備(優しき心で人心をつかむ漢帝国の末裔)「民を守らずして、この戦の意義はあるおか」
  • 関羽(天下に名を轟かせる劉備軍の猛将)「仁義をもって戦わねば意味はない」」
  • 張飛(猪突猛進して敵をなぎ倒す豪傑)「善悪のけじめはハッキリつけなきゃいけねえ!」
  • 孫叔材(曹操軍の心優しき蹴鞠の名手)「俺は最後まで戦う。税を免れ皆が飯を食えるから」

中国、香港、台湾、日本、韓国、アメリカからスタッフが集まっている。日本からは、俳優の中村獅堂(甘興)、音楽の岩城太郎。100億円かけたスケールの大きな映画で、興行的にも大成功している。

最後のシーンでは、周ゆが曹操に「勝者も敗者もいない」というくだりがある。この戦争映画は「反戦」がテーマだと思う。