「わたくし赤塚不二夫。死ぬ瞬間まで、人を笑わせていたいのだ!!」

k-hisatune2009-07-15

「わたしは文部省がこのシリーズ(「「天才バカボン」をなぜ「道徳」の副読本に採用しないのか、また日教組がそうすることをなぜ文部省に迫らないのか、理解できない」「赤塚漫画がすばらしいのは吹き出しの中の字が一級品であるというところにもある」と作家の井上ひさしは述べている。(「赤塚不二夫1000ページより)

その天才・赤塚不二夫(1935年−2008年)を記念した赤塚不二夫会館が青梅にある。会館のある住江町は、昭和の懐かしい映画看板を掲げてまち興しに取り組んでおり、その一角に2003年にこの会館がオープンした。青春時代に観た「哀愁」「第三の男」「駅馬車」など、映画黄金期の傑作の看板が並ぶ町並みに会館がある。
天才バカボン」「おそ松くん」「ニャロメ」などの作品で知られる赤塚の作品と、幅広い交遊ががわかる資料が楽しくみれるように工夫されており、中は案外広い。手塚治虫を先頭とする漫画の勃興期に赤塚はその才能を思う存分に発揮し、世の中に良質の笑いを提供したギャク漫画の王様である。「シェー!」「これでいいのだ」などの言葉は多くの人が知っている。

会館で、いくつか資料を買ったが、その中に「赤塚不二夫120%」(アートン)という自伝があった。この中から赤塚不二夫の創作の秘密を取り出してみたい。

  • 僕はとにかく楽しくて面白いことが大好きな人間ニャのだ。
  • 僕はギャグマンガを描く時、多重構造で考える。(テーマは文化人向き、ストーリーを組み立てて、台詞はサラリーマン、大学生向けにはアクションを含めた台詞、高校生にはダジャレ、中学生にはアクション、小学生には動物)、、、だから自慢じゃないけど、読者層がすごく広い。
  • 「一流の音楽を聴きなさい。一流の映画を観なさい。一流の芝居を観なさい。一流の本を読みなさい」(手塚治虫)、、、、手塚先生は、抽出しをたくさん持ちなさいって教えてくれたんですね。
  • 僕たちみんな貧乏だったけど、志だけは溢れるほどあったのだ。
  • 僕ら若者が新しいマンガの時代を作っていこうという、夢というか志みたいなものは持っていた。
  • とにかく、誰も描いたことにないマンガを描こう、それしか考えなかった。それで描いたのが、「おそ松くん」だった。
  • 現実より少し前にの時代を舞台にしたんだけど、登場人物にはリアルタイムの時代を反映させた。
  • マンガっていうのは、社会と同時進行しているものなのだ。だから自分だけ先走りすぎても受け入れてもらえないし、時代と一緒に生きていないとつまらない。
  • マンガのヒントになるものは、どこにでもあるんですね。だからたくさん抽出しを作って、いろいろなものを入れておく。
  • 僕はアシスタントに恵まれて、優秀なアシスタントがいっぱいいたから、僕は丸三角の下書きでいい。
  • 毎晩飲みに出てマンガ以外の違う世界ができたのは、本当に面白かった。それがまたマンガに跳ね返り、発想の源になっていく。
  • 僕は、たった6本しかヒットを出していないのだ。それ以外に200本くらい描いているんだから。僕の作品は、ホームランか三振かどちらかだね。
  • これは僕の生き方にもなっているんだけど、いつもその場で、自分が一番劣っているって考えるのだ。自分が一番バカで最低だと思っている。そうすると、いろんな人と出会っても、いろんなことを教えてもらえる。

トキワ荘に集った漫画家志望の若者達は、神様・手塚治虫の「一流の音楽、一流の映画、一流の芝居、一流の本」を実行したから、同時代の若者とは何かが違ったから、成功者が多く輩出したのだろう。その何かは「志」だろう。そして赤塚不二夫はこれに加えて、「人」に会い続けている。そうして創造のための裾野を広げていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−

新著「KOKOROZASHI 志」への感想がウェブ上に現れ始めました。
−−−−http://ameblo.jp/maco2/entry-10299182046.html
もう鳥肌立ちまくりです。
日本の偉人のコトバが目白押し。
「コレは誰かに伝えたい」というコトバのページの角を折っていったら、
折れすぎて意味を成さなくなってしまいました(笑)
美空ひばり氏のコトバで、
"今日の我に明日は勝つ" P90
というコトバがあるのですが、
『昨日の自分を超える』という事をいつかのブログ で自分が書いたので、
非常に共感。
珠玉のコトバ達の中でも特に鳥肌が立ったのが山田かまち氏のコトバ。
敢えて紹介は致しませんが、武者震いすら起きました。
嬉しいことに、
巻末に、紹介された方々の人物記念館ガイドが掲載されています。
山田かまち氏の美術館には絶対バイクで行こうと決めました
−−−−−−http://ameblo.jp/matsuno-dc/entry-10298103274.html
下足番を命じられたら、
日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしてはおかぬ(小林一三
まさに、人生の師匠、福島先生の言っていることと同じ。。。

カネを残すのは下、
事業を残すのは中、
人を残すのは上。(後藤新平
これと同じ事を、仕事の師匠熊本の中村先生に言われました。。。

こういう気持ちでいつもいたいです。
−−−−−http://d.hatena.ne.jp/eliesbook/20090711/1247444429
そのほかは、棟方志向、佐藤一斎内村鑑三小林一三上杉謙信
などの読み応えのある名言が並んでおり、何度も読み返したい内容です。
名言が好きな方、人生の指針が欲しい方、自分を奮い立たせたい方
は、ぜひ読んでみてください。
久々におすすめの名言集です。
−−−−−−−−−−−−http://www.amazon.co.jp/gp/product/4887597215?ie=UTF8&tag=hisatunenet-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4887597215
さて、ここにあるのは、偉人や著名人などひとかどの人の口からもれた急所、カタルシスのような言葉である。決して大言壮語ではない。名言というのでもない。思わずもれたというか、自らを律して語ったことばである。まさしく、これを拾いだした久恒啓一著作だなあと感じたのである。偉人の発言に言い添える形で、久恒さんの解説がつづく。その理解の深さ、味わいがいい。まるで偉人の隣に立って、いいたりないところを補っているかのようだ。