全国市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)で講義をする。思えば、この市町村アカデミーでは行政職員向けの講演・研修について最初に依頼があったところであり、今まで10年にわたって年に数回出講している。最近は、企画担当者と、財政担当者の対象が多い。今回は、全国の財政担当者63人が受講。北は北海道の千歳市、苫小牧市から、南は沖縄の浦添市までで、今回はわたしの郷里の中津市からも受講生が参加していた。私の実家の近くだった。
年齢は24才から52才で、平均は36才。男子57人、女性6人。職階は課長補佐級3人、係長・主査級26人、主任・主事・技師等34人。北海道2人、東北6人、関東11人、北信越7人、東海3人、近畿9人、中国8人、九州6人、総務省2人。所属は、ほぼ全員が「財政」という名前のつく部署に所属している。
行政組織は人材研修に熱心で、各ブロックや各県に研修所がある。たとえば東北自治研修所や、宮崎自治学院など。また研修期間も長い。今回の研修は8日間で内容も充実している。
「財政運営」の専門実務研修課程ではどんなことを学んでいるのか。
- 地方公共団体財政健全化法と財政運営(総務省自治財政局財政調査課長)
- 地方債制度の現状と改革の動向(総務省自治財政局地方債課長)
- 行政評価の仕組み(富士通総研)
- 公会計制度の現状と課題・公会計制度の動向について(トーマツの公認会計士)
- 財務諸表の見方(トーマツの公認会計士)
- バランスシーと・行政コスト計算書の作成(トーマツの公認会計士)
- 特別講義:」小泉武夫「これからの日本の食と地域の活性化」(東京農大名誉教授)
- 第三セクター等の経営のあり方(シーズ総合政策研究所)
- 図解表現の技法とポイント(多摩大学経営情報学部教授・久恒啓一)
- 自治体の経営手法−−アウトソーシング等(アセンディアコンサルティング)
- 事例紹介:市町村合併と財政(鹿児島県薩摩川内市)
- 事例紹介:行政評価等と財政運営(群馬県太田市)
- 地方交付税の現状と改革の動向(総務省自治座政局交付税課長)
- 地方税制の現状と今後の課題(総務省自治税務局企画課長)
- 民間企業の経営戦略に学ぶ(西山昭彦・東京ガス西山研究所)
- 分権改革と地方財政の展望(小西砂千夫・関西学院大学教授)など。
今回は私は3時限もらい13時から17時までだった。宮城大時代の行政の委員の経験やゼミにおける地域活性化活動などからみた地方行政の問題点の抽出とその解決の方向(説得型行政から納得型行政への転換)をまくらに、「社会的合意形成」についての考え方(定性情報・図解思考・顧客視点)、文章型の仕事から図解を用いた仕事への転換が行政改革そのものであること、そして「私の仕事」をテーマとして実習とミニプレゼンと議論、最後に質疑応答と、図を用いた事例として図解ウェブと多摩大ホームページの紹介を行った。
以下、書いてもらったアンケートから抜粋。
「頭が働いてました。問題解決能力が高まりそうな気がします」「今までの常識を覆されたような講義でした」「何が大事で何を伝えたいかが表現できるので素晴らしい」「今までのものの見方がいかに狭く目線が低かったことに気がつかされた講義でした」「納得」「ホームページが素晴らしい」「上司の反応をみながらワザを磨きたい」「今からは図解とプレゼンの時代だ」「目からウロコ!」「久しぶりに頭を回転させた気がします」
「将に目の覚める内容でした。悪循環を感じています」「作業をするなかで自然と整理されていくのが不思議でした」「普段とまったく違う思考法ができたので楽しかった」「奥が深い」「豊かさを実感」「「考えさせられた」「本質がわからないと図も完成しない」「文章中心だったが発想が正反対なんどでとまどうと同時に新しい考え方ができました」「贅言を費やすことなくものごとを理解させる大きなツールだ」「物事の見方が変わりました。業務と人生に役立てます」「初めて聞く考え方の講義で非常に刺激を受けました」
「市民との関わりを意識してながら市長の存在を忘れていた」「「ものごとの本質をとらえて的確に仕事に結びつけていきたい」「是非この手法を活用し間違いのない仕事をしたい」「図を作成することが目的ではなく描いている過程が重要だ」「公私で活用できれば面白い」「描いているときの自分の集中力が心地よかった」「コミュニケーションにおいて数字情報が共通のプロトコルとして最強だと思っていましたが先生の講義で考え方が少し変わりました」「実践します」」