渡辺淳一・おおば比呂司・本郷新・三岸好太郎(札幌)

早朝に自宅を出て羽田空港へ。そして北海道の新千歳空港へ。そして札幌。
明日の講演に備えて前日に入った。前回札幌に来たときは、月曜日があいていたのだが、ほとんどの記念館はいっせいに月曜日が休みだったので、今回は仇をとることにした。
ということで、午後は札幌の人物記念館を4館回る。以下、備忘メモ。

渡辺淳一文学館
作家と読者の交流の場。渡辺淳一の歴史が納められている。一階の書棚が司馬遼太郎記念館に似ていると思ったら、やはり設計・デザインは同じ安藤忠雄だった。
1933年生まれだから、76歳。1969年から2008年までの39年間で著書は139冊。年間3冊から4冊づつたゆまず生み続けていることになる。
ひとひらの雪、化身、失楽園愛の流刑地などのベストセラーや話題作が途切れることなく出ているのは凄い。
テーマは、恋愛。男女の愛。愛と性。
「多くの人に読まれる幸せと編集者に追われる喜びを知り、さらなる意欲がわいてきた。」
「たとえ才能が貧しくても、それを乱費せず、実感をベースに、自分がのめりこんでいけるものだけを書いていこうと。」
「日々、締め切りに追われて、気がついたらここまできていた、というのが本音である。」
「老いもプラスに転化できるとは、作家とはなんと幸せな職業であることか。」


おおば比呂司記念室。
旧・札幌控訴院(高等裁判所)が今は、札幌市資料館になっている。その一角におおば比呂司記念室がある。
おおば比呂司(1921年生まれ・1988年没)は、ひとコママンガ、イラストレーション、絵画など幅広い領域の仕事をした人物である。モチーフは、飛行機、風景、食べ物など。


本郷新記念館。
1905年生まれ。1980年に74歳で没している。
晩年に建てたアート・ギャラリーを使った記念館。この人は野外彫刻家で、全国に大型の彫刻が建っている。
彫刻を「彫刻」たらしめるものは、、
「存在の力と重さと大きさ、或いは又、存在の歴史、永遠の時間、生命の価値、とでもいいえようか。ともあれ、深くて、重くて、温かい何かだ。」
石川啄木の和服姿、考える啄木は、どこかで見た記憶があると思ったら函館の啄木公園の啄木像だった。
美しいプロポーションの健康な裸婦像、緑の賛歌などは4メートルほどの高さがあり、凄い迫力である。
本郷の写真。白髪、白ひげ、そして黒縁の眼鏡、そこからのぞく強い目。


三岸好太郎美術館。
1903年生まれだが、31歳で夭折した画家。どうしてこのような立派な美術館があるのか、不思議に思った。
「芸術は時代精神の反映である。」