「他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。」

k-hisatune2009-10-23

午前中は、「マネジメントデザイン2」の講義の5回目は、「敵との切磋、友との琢磨」でした。
冒頭は、多摩大リレー講座のラインアップと内容が素晴らしいので、すでに単位を取得していても。単位に関わりなく聞き続けるようにアドバイス。また、今週の札幌での講演に合わせて訪問した渡辺淳一記念文学館や、有島武郎旧邸の訪問の様子を説明。

本番では、岡本太郎高村光太郎草野心平志賀直哉武者小路実篤正岡子規を題材に、彼らの「ライバルや友達」との関係を解説しました。
そして20分ほどは、数人づつ組になってどの人の興味を持ったかを話し合う時間にしました。書いてもらったアンケートでは、岡本太郎の人気が圧倒的でした。以下、紹介した岡本太郎の言葉。若い人の心に響く言葉です。

  • 迷ったら、失敗する可能性が高い方、自分がダメになる方を選べ、そうするとエネルギーが湧いてくる。
  • 他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。
  • やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ
  • ぼくはこうしなさいとか、こうすべきだなんていうつもりはない。ぼくだったらこうする、というだけだ。それに共鳴する人、反発する人、それはご自由だ。

夜は、品川の社会人大学院で講義。「社会的合意形成論」。出席は11人。
翌24日の朝6時半までにホームページに書き込みのあった感想をアップします。雰囲気がわかります。今回は、22日と23日の朝日新聞日経新聞の社説を材料にした講義にしました。

  • 本日は日経と朝日の「社説」の図解に挑戦でした。授業参加者一人一人が、違った社説に取り組みます。結果見えてきたことは驚きでした。これまで、新聞の社説はわかりにくく、理屈っぽく、関心のあるテーマでない限りは、ほぼ斜め読みでした。今回、図解に取り組み、授業参加者の成果をすべて、共有化してみて、1)論理性に問題のある社説2)主張のない社説3)当たり前のことを書いている社説)国民の共通認識をもったいぶって書いている社説などが多く、新聞の顔としての役割が果たせていないという事実に気づきました。図解技術上の反省事項は、取り上げたキーワードが多く、かなり詳細な構図になってしまったことです。もっと大掴みに表現するように心がける必要がありそうです。
  • 言葉は非常に悪いのですが、今日は教室でストリップをさせられた気分でした‥(笑)自分の頭、心の中をすべて見透かされると言いましょうか。図解では嘘がつけない、まさにそのとおりだと思います。そうしてみると、文章というものはどんなに名文と言われているものであっても、いかに曖昧でごまかしの多いものなのかがわかってきます。(実際社説は新聞を代表する名文だと思っていましたから)キーワードを抽出してその関係性を考えながらつなげていけば図ができると一言に言ってもそれこそが難しいと授業の回を重ねれば重ねるほど痛感します。「で、結局何なの?」がわかっていないと図は書けないし話もできない。奥が深いですね。時事、経済問題にはどうしても自分自身苦手意識があるのですがだからこそ授業で取り上げられるTOPICと皆さんの図解はとても勉強になります。すぐれた図解は「理解を深める」を実感する瞬間でもあります。毎回の実習はまさに真剣勝負で、今回のように全員の図解がコピーされると、自分の恥ずかしい写真を配られたようで何とも心落ち着かなかったのですが(笑)すぐれた図解を真似ぶ=学ぶいい機会でもありました。
  • 本日の担当は、日米安保民主党がこれからどうしてゆくべきかについての社説を担当しました。内容が同じはずなのに会社による違いがあり、問題のとらえどころが違うことや何故かそれそれの主張に本質をとらえているか疑問を持つ結果となりました。その他の題材も内容が同じはずでも、違いを感じることや幾つかを見比べることによりその問題をとらえるべき方向が見えたりすることが判りました。今まで考えていた新聞社の社説の神格化がちょっと崩れたようで興味深い講義でした。
  • 3回目の講義でしたが、毎回うまく図解ができず、ずっと悩んでいました。解決法の一つとして、久恒先生が書かれた「図で読み解く ドラッカー理論」を読んでいます。 図解が難しいと感じる理由に、文章を読み込む(筆者の結論は何か?その結論を導き出した理由は何か?)ことの難しさがあります。 それは、自身の読解力のなさもあると思います(毎回、現代国語の試験を受けている気分・・・)が、雑誌や新聞記事は、紙面や文字数の関係上、本来必要な言葉や文章も割愛されているような気がします。  朝日新聞に「私の視点」欄に投稿した人から聞いた話ですが、記事の採用が決まってから何度も、朝日新聞担当者の手で文章の修正が入り、結局言いたかった内容が十分に伝わらない記事になってしまったとのことでした。 これから修士論文を書くにあたり、図解してから文章を書く、書いた文章をもう一度図解してみる・・・という繰り返しも必要なのかもしれません。
  • 最初にしっかり構図を考えてから取り組み始めたつもりでしたが、途中でぶれてきたり、細部の意外な情報が全体の構成に影響したりと、なかなか大変で、うまくまとめきれなかった印象です。皆さんの図解を見ていると、まとめ方も載せる情報量も千差万別ですね。文字の情報量としては同じくらいの社説なのに…。これは記事の内容が伝えやすい内容だったり、複雑な内容だったりする影響なのでしょうか。

−−−−−−−−−−−
午後は、宗教系のK出版社の編集者が来訪。企画の提案を受けた。
写真「今日の一枚」は、22日のゼミの様子。