「旅と言うものは、縁(えにし)の糸に導かれて行われる。」

  • 「旅と言うものは、縁(えにし)の糸に導かれて行われる。」
  • 日々の忙しさに疲れ、仕事に慣れてしまってはいないか。一度日常を断ち、心を新鮮にすべきではないのか。内なる声に耳を傾けた画伯、北欧への旅立ちを決意する。
  • 「残照」が日展で特選になり、風景を生涯のテーマとすることを決意する。39歳。
  • 「白夜光」。北欧旅行の3年後の作品。「この絵は、北の旅の終りであると共にまたいよいよ次の旅のはじまりを意味している。
  • 鑑真和上がついに見ることの出来なかった日本の美しい山と海を描くことに決め、日本各地へスケッチの旅に出る。「海の図」のために、竜飛岬から日本海沿いに南下、輪島、城崎、小浜などを経て青海島にいたる本州縦断。「山の図」のために、黒部、穂高、飛騨を党踏破する。
  • 八十代に入ると旅に出なくなって、絵を描く心の旅にでる。現場で描いたスケッチを持ち帰り、画室で構想をまとめ、仕上げる。若いときに多くのスケッチを描いておけば、旅に出なくても絵を描ける。
  • 「夕星」。絶筆。「ここが最後の憩いの場になるのではとの感を胸に秘めながら筆を進めている。」

年表によると、東山魁夷画伯の美術館は、最晩年にできている。
82歳、長野市の城山公園内に東山魁夷館。86歳、千葉県市川市東山魁夷アートギャラリー。87歳、長野県山口村に東山魁夷心の旅路館。
画伯は幸せだった。

唐招堤寺の障壁画は、6月5・6・7の3日間のみ拝観できる。御影堂内部の写真をみたが、すばらしい。これは見たい。
ーーーーーーーーーーーー
午前中は、一般推薦入試の試験監督。
その後、羽田から福岡へ。
以上は、旅の途中で読んだ「東山魁夷への旅」からの抜粋。