自治体議会政策学会で県議会・市長村議会の議員に「行政改革」の講演

東京に出てきてから初めての雪景色の中、早めに家を出る。


まずは、両国の国際ファッションセンターに向かう。10時からの自治体議会政策学会が主催する第12期自治体政策特別講座での講演のためである。対象は地方自治体の議員、つまり県議会議員、市町村議会議員だ。「自治体財政 予算・決算のポイント−−地域自立への議会審議」というテーマで二日間にわたって開かれている講座である。会長の竹下譲先生(拓殖大学地方政治センター長)と親しくお話をすると、この学会は松下圭一先生等が10年前に立ち上げたもので、多くの真面目な議員達の勉強の場となっているとのことだ。私の2時間の講演のテーマは、「説得から納得の政策形成−−図解コミュニケーションで行政改革」。
180人ほどの議員達が極めて熱心に聴いてくれた。終了後の質問も多数あり、エネルギーに溢れており一般的な講演とは人種が違うという感じを持った。こういう方々が地方行政に真面目に取り組んでいただいているのかと頼もしく思った。北は北海道から南は沖縄まで、自民党民主党共産党社民党公明党などの超党派の議員の集まりだから、活気がある。会津の議員からは、息子が多摩大という情報をもらった。宮城県議会、仙台市議会、女川市議会、そして私の故郷の大分県議会からもみえていた。114自治体。ブログやTwitterなどインターネット選挙についての話題も入れたが、Twitterに挑戦している議員は少なかった。Twitterを知っている人は5%、やっている人は2%程度か。
鶴ヶ島市魚津市寝屋川市宝塚市福島県平塚市広島市和歌山市姫路市鈴鹿市常滑市豊橋市などの議員と終了後、名刺交換。
「先生の大学で講義を受けたくなりました」「本屋を開業しています。先生の本を力を入れて販売します」「市政の課題に図解で取り組みます」「図解はOSだ!コミュニケーションとは何かが明確になった」「目からウロコ」「議会報告や個人広報に使いたい」「議員対象の研修も」「本を読みます」「予算の図解を。国の予算の学習会の図解が増えたのは先生の成果でしたのネ」、、、。
浜松市の田口議員http://taguchi-hamamatsu.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/22-3e68.html
千葉市の鈴木議員http://cb1.seesaa.net/article/140065917.html
昼食を竹下先生と食べたり、次の講師の東洋大の稲生信男先生と話をする。

13時半。江東区砂町文化センターの中にある「石田波郷記念館」を訪問する。途中突然賑わう通りに出た。有名な「砂町銀座」だった。石田波郷(1913−1969年)は、昭和の俳聖と呼ばれる俳人。この地に12年間住んだ。江東区は昭和20年3月9日から10日にかけて空襲で町が焼失し、波郷はそのことをよく詠んだため「波郷の焦土俳句」とも言われている。松山に生まれた波郷は、中学4年の時に友人・中富正三(後の大友柳太朗)のすすめで句作を始める。水原秋桜子率いる「馬酔木」に参加し、24才で俳誌「鶴」を主宰、31才から入隊し中国にゆく。33才から江東の地に住む。39才、出版社「竹頭社」を起こす。41才、「定本石田波郷全句集」。翌年読売文学賞。46才、朝日新聞俳諧選者。55才、句集「酒中花」。翌年芸術選奨文部大臣賞。56才死去。

石田波郷は「江東歳時記」で、江東、墨田、江戸川、足立を読売新聞の150回にわたって書いている。波郷の病気療養を詠んだ句は「療養俳句の金字塔」とも言われた。
 はこべやら 焦土のいろの すずめども
 雁や のこるものはみな 美しき
 浅間山 空の左手に 眠りけり
「風切宣言」では、1.俳句の韻文精神の徹底 2.豊穣なる自然と剛直なる生活表現 3.時局社会が俳句に要求するものを高々と掲出すること、と俳句をつくる意味を語っている。
「俳句の魅力は、一口にいふと、複雑な対象を極度に単純化して、叙述を接してひと息に表現することにあると思ふ」

次に、15時半に神谷町の吉田包竹記念会館を訪問する。吉田包竹(1890−1940年)は有名な書家。旧宅に顕彰碑があり、そのそばに会館が建っている。「吉田包竹」(田宮文平)と「書道読本」(吉田包竹)を購入する。

17時には、湯島で知研の八木会長と近藤さんとコーヒーを飲みながら、来週から始める研修の打ち合わせ。

18時からは、湯島の日本料理屋で新聞社の方と食事会。素敵な店で凝った料理と会話を堪能する。

23時近くに自宅に着くと、都内に看護師として勤める娘が来ていた。同居している息子と家内も交えて、私たち夫婦の結婚式のアルバムを見ていたが、それに私も加わって楽しく会話が弾む。