八王子の「エイビットスクエア」の開所式に出席

k-hisatune2010-06-01

エイビットスクエアは、JR八王子、京王八王子から徒歩10分以内にある株式会社・エイビットの5階建てビルの一階と二階に開設された学びの場だ。この場は社会人の学び直しの場として多摩地域インパクトを与えていくだろう。開所式に参加。エイビット社は通信技術を核とした企業で携帯電話関係の機器をつくっている。

檜山社長

  • エイビット社は1975年創業で25周年。これを機にエイビットスクエアを開設。人づくりはモノづくり。近隣諸国のライバルは実学とその応用で伸びている。モノ作りが消えないように。まず人づくりということで学び直しの場所にしたい。経験者が働き続けられる環境と女性が活躍できる環境。ゲイツやジョブッズのような日本のプロデューサーを育てたい。日本独自のビジネスの創造。Ustream八王子スタジオ。講義を開放。動画配信とアーカイブ。人材の結集地にしたい。八王子シャッター街の一角を顔にしたい。

黒須市長

  • 市民アンケートでは90%が住み続けたいと回答。その理由は豊かな自然、緑が多さが60%。
  • 檜山社長が八王子で開業した理由。子育て環境、教育のしやすい街。、大学の頭脳、起業、都心と「横浜への利便性。

特別講演:寺島実郎多摩大学長「世界を知る力、多摩を知る力」

  • 滅亡した武田家の侍を家康が引き取って家康の直轄地・八王子に「千人同心」として農業を営む武士として活用。
  • 千人同心100人は原ちゅうざえもんに率いられ1800年に蝦夷地開拓。苫小牧に50人、釧路の白糠に50人。私の生まれ故郷・沼田町の近く。
  • 八王子。関越自動車道圏央道東名高速などとのつなぎによって山梨を変えている
  • なぜ中国だけが発展したか。大中華圏というネットワーク的視点。香港は中国人海外渡航の半分を引き受け持ちこたえている。台湾は政治問題をなんとかしのいで中国が技術と資本を取り込み始めた。シンガポールはバーチャルステイトとして発展、一人当たりGDPは4.6万ドル(日本は4万ドル)。IT、バイオ、医療モデル。またシンガポールはロンドン・ドバイシンガポールシドニーという「ユニオンジャックの矢」の一角。カジノをオープン、秋には第二カジノ。こういう地域が大中華圏を形成している。
  • 日本の対米貿易は2009年は13.5%。2010年1-4月は12.6%まで落ちた。日本海物流へのシフト。プサンがハブ化。米中物流が太くなっている。横浜・東京から関越道で新潟経由でプサン、仙台から高速道路で日本海側の港からプサン、そしてアメリカへ。内航船はコストが高い。太平洋と日本海をつなぐ圏央道の役割。山梨・八王子は両にらみの位置にある。
  • アメリカを通じた世界観という固定概念。13.5%まで落ちた対米貿易だが、穀物(食料自給率)と航空機(中型旅客機MRJ国産化)などで対米貿易は10%を切る時代になるか。下部構造の経済は中国を中心とするアジア、上部構造はアメリカという姿が、混乱を招いている。一番のカスタマーである中国・アジアを信用できないで、昔から傭っているガードマンを信用しているという「滑稽な日本」。アジアからの信頼を構築してこなかった。
  • 日米同盟の再構築。産業界の議論はUAEの原子力商戦、南米の地デジ商戦など技術は高い評価だが韓国に奪われているというショック。内需か外需かという愚かな議論。内外需一体型経済の方向。日本は中間財(部品)で稼いでいる、つまり日本の部品を埋め込んだ製品をアジア諸国が売っているということ。ということはネットワークに支えられているということだ。
  • ネットワークの中で日本は繁栄し共存する。-日本の弱さは「ガバナンス」。「きまじめな愚かさ」から脱し、ネットワーク性、相関性の仲で世界をとらえよ。

サイバーシルクロード八王子・甲谷会長

  • コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスを育てよう
  • 被害者意識を捨て、思いきって新しい出発を。
  • グローバルセンスを持った人材の育成

イベント前後にエイビットスクエアの施設を見学。一階の多目的ホールは60-80人収容。2階は5つの部屋があり、スクール形式だと6人から36人、ロの字形式で6人から30人。ライブラリースペースもある。白を基調としたスッキリした色調とカンパニーカラーの赤を適度に配置したデザイン。それ以外にランを利用できるコーナーなどもある。
檜山社長、黒須市長、多摩信用金庫の長島副部長、石垣理事、羽田野さん、今井さんらと挨拶。多摩大は教員と職員を中心に10数名の参加。トータルでは100名近くの関係者が参加。地域の重要な場となるだろう。
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2日の朝日新聞多摩版トップに、「企業・NPOが人脈活用・八王字にサポート・教育施設」「大学も協働し地域活性化を」という記事。