浅田次郎「終わらざる夏」上下巻を読了

広島への原爆投下のあった8月6日から読み始めて、本日浅田次郎の「終わらざる夏」の上下巻を読了した。

戦争という運命に翻弄される様々な立場の人間の悲しみが描かれている名著だ。何度も涙が浮かんできた。こういった日常と非日常の織りなすドラマは、ほんの数十年前の出来事であることに感じ入る。

大本営参謀、赤紙に書く徴兵候補を拾い出す曹長などが出てくるが、主役は外語大を出た出版社の編集長で二等兵で取られる45才、盛岡出身の秀才の誉れ高い若い少尉の軍医、郷土の英雄に祭り上げられた歴戦の鬼熊軍曹。この三人が千島列島の小さな島である使命を帯びて過ごすという筋だが、そういった人々にまつわる母、妻、家族、そして上官、又スターリンソ連兵たちとその妻と家族、函館から招集された高女挺身隊の女性達、、、、。

浅田次郎が言わせる登場する人物たちの口から出る真実の言葉の数々に感銘を受ける。

終わらざる夏 上

終わらざる夏 上

終わらざる夏 下

終わらざる夏 下