中曽根康弘「保守の遺言」−民主党政権の見通しが的確

中津から、福岡空港羽田空港、そして自宅までの時間を利用して何冊か読了。石原慎太郎「真の指導者とは」(幻冬舎新書)。司馬遼太郎「人間というもの」(PHP文庫)。そして中曽根康弘「保守の遺言」。

中曽根康弘「保守の遺言」(角川ONEテーマ21)。2010年5月発行の時点での新政権の見通しが的確である。今年92才。

  • 結局は近い将来、何らかの形で増税に踏み切らざるを得なくなるにのではないか。ただ、問題は増税のタイミングである。、、タイミングを間違うと選挙に直接影響を及ぼす。(菅政権が消費税増税を打ち上げた参院選の大敗を予測)
  • 普天間問題、、。結局は当初考えていた場所に落ち着かざるを得なくなるのではないか、その可能性大と言わざるを得ない。(鳩山政権の迷走と結末を予測)
  • 鳩山、小沢、菅の三人の協力関係が崩れたとき、政権が自民党に移るという危惧を絶えず持っていたほうがいい。(菅政権の反小沢人事の結末を予測)
  • 小沢君、、。現状を打破する推進力は、他の政治家の追従を許さぬもので、彼が節度を重んじ、重大な出るべき時に推進力になったら、戦後政治に名を残す政治家の一人になるだろう。(9月の代表戦がそれになるか?)
  • ここ十数年の政治情勢を振り返っていると、大東亜戦争が始まる頃の様子と酷似している部分が多く、不安にかられる。
  • 先の戦争が起きた原因を考えるとき、その元凶は官僚主義であるというのが、私なりの結論である。
  • 私はいつも思いついたことを書き留めるノートを持ち歩き、夜寝るときも枕元にメモをする紙を沖、頭に浮かんだアイデアをメモしていった。それをトップダウンでやらせたのである。
  • 私は、、、NHKのハングル講座などで身につけていた韓国語を駆使して挨拶したのである。
  • 私は、総理在任中の多忙なときでも、日曜日には必ず、夜、東京・谷中の全生庵という寺で座禅を組んでいた。
  • 保守という政治を掲げる自由民主党は、日本の歴史、伝統、文化というものを非常に大事にし、その精神を受け継ぎながらも、常に新しい社会、新しい世界へ挑戦していく市政をもている。
  • 自民党の保守政治に飽き、もうひとつの保守政党を国民が選んだという捉え方をしているからである。、、つまり、「アナザー保守」としての民主党に国民は投票したのではないかと。
  • 今回、自民党有権者から見放されたのは、保守党がなさねばならない「改革」を忘れてしまったからともいえる。