「借りぐらしのアリエッティ」と「TOILET」

映画を二本観た。

南大沢(八王子)の東宝シネマでスタジオ・ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」。
小人の世界。小人の視点から見た人間の世界と自然の細やかな世界は面白いが、物語自体には山もないし、やや説教調が感じられて、ジブリとしては成功した作品とは言えない。初めて監督を手がけた若いアニメーターの監督であるから、宮崎駿監督の作品とはやはり違う。原作は1950年代のイギリスであったが、2010年の日本の小金井かいわいが場所となった。車のナンバーが多摩らしき文字になっていた。寡黙で生活の技術を備えた父、人の良い主婦業の母、そして冒険心に富む娘、ここには小人の世界には古典的な家族の姿が残っている。アニメで描かれる自然はきれいで音楽もいい。

橋本(相模原)のMOVIXで「トイレット」。
2006年の「かもめ食堂」、2007年の「めがね」が大ヒットした荻上直子監督(1972年生まれ)の最新作。「突然、ばーちゃんとの奇妙な生活が始まった。バラバラで生きてきた3兄弟と日本人のばーちゃんが織り成す、家族の物語。」舞台は外国・カナダだが、内容は明らかに日本的な作品。「人生は退屈の繰り返しに耐え忍ぶことだ」と思うロボット型プラモデルオタク青年レイ、ピアノが弾けなくなったピアニストの兄・モーリー、ちょっと勝ち気な大学生の妹・リサと、英語がしゃべれないばーちゃんの生活。日本のウオシュレット賛美の台詞や実物、そして3000ドルという値段までが観客に届く。やはりメインスポンサーはTOTOだったが、これもご愛敬。こちらはユーモアとしんみりが同居した作品で、この監督にはファンが多い。

映画「トイレット」オリジナルサウンドトラック

映画「トイレット」オリジナルサウンドトラック

どちらも「家族愛」がテーマだ。