「偉人伝」に挑む

数年越しで取り組んできた本の原稿がようやく終わりを告げつつあります。対象とした人物を以下のように表現してみました。


松本清張:幅の広さと奥の深さと圧倒的な仕事量で時代に屹立した大小説家
森繁久彌:たゆまぬ研鑽で時代とともに成長を続け大きく花開いた国民俳優
与謝野晶子歌人から始まったそのエネルギーで時代を牽引した近代最高の女性
遠藤周作:多彩なチャンネルをまわしながら人の何倍も人生を楽しんだ大作家
武者小路実篤:「世界にただ一人という人間」を人生最後まで追い求めた理想家
牧野富太郎:植物学という一つのテーマに人生のすべてをかけた世界的学者
大山康晴:絶頂からの陥落後、時間をかけて再起を果たした燻し銀の天才棋士
野上弥生子:「鬼女山房」で世界に類例のない長期の現役活動を継続した小説家
本居宣長:日本の原型に迫る歴史的大著を完成させた努力と信念と継続の人
石井桃子:神聖な児童文学の世界に向き合い崇高なる百年の人生を送った女性
平櫛田中:百歳を越えてもなお師の理想を実現せんと精進し続けた日本彫刻家
徳富蘇峰:56歳から34年をかけて世界最大の著作を完成させた歴史思想家
寺山修司:年齢を重ねるほどより華麗な大輪の花を咲かせた早世の天才表現者
川田龍吉:経営者と男爵イモを発明した農事家、二つの人生を全うしたロマンチスト
森鴎外:昼は陸軍軍医、夜は小説家としての両輪で生き切った明治の大文豪
新田次郎:役人と作家、二つの道を歩みながら優れた小説家に大成した仕事師
宮脇俊三:仕事の合間に趣味を満喫しそれを本業にまで昇華させた鉄道紀行作家
村野四郎:経済的防波堤の中で細く長く詩の世界を歩み続けた実業人詩人
高村光太郎:最晩年に人生最高の傑作彫刻を完成させた愛の詩人彫刻家