日誌を日記にする方法

日誌と日記は違う。日誌が進化すると日記になる。

日誌は航海日誌などのように事実を淡々と時系列で記していくものである。日記は出来事などに関する感想や意見を述べるものである。日記を書こうとして挫折する人が多いのは、感想や意見という内面を書かなければならないという脅迫観念に襲われるからだ。それは内面の表白をする作家の日記を意識しているからだ。

まず日誌をつける。そして気が向いたらそれに感想や意見を付加していくというやり方でブログを始めれば、挫折することから免れることができる。今日は、そのやり方で一日を振り返ってみたい。
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  • 9時から大学でセンター入試説明会。
  • 10時40分から教授会。
  • 15時過ぎに神保町到着。岩波関係の書店で加藤周一本多勝一らの本を手に取る。

「脳力のレッスン オバマ政権の苦闘−−2010米国中間選挙の「意味」(寺島実郎)の載っている「世界新年号」と渡部昇一「知的余生の方法」を購入。先日のGIN総研の寺島講演の内容だった。寺島さんは毎日のようにバージョンアップしていることがよくわかる。九段サテライトへの道すがら数軒の古本屋をひやかす。

  • 寺島文庫の九段サテライト。学長にいくつかの報告と受け答え。
  • インターゼミ(社会工学研究会)の最終発表会の二回目。今回は「多摩学チーム」と「アジア(経済)」チームの発表。

学長からは、長崎大学の話。原爆を契機とした放射線研究センターや熱帯感染症(ウイルス)を持つ医学部、輝ける歴史を持つ長崎高商という二眼レフ諫早湾干拓問題と知事、、、。移動で出会う人や土地の本質や課題をつかみ取って総括していくという方法が身についているから寺島さんの話はいつも新しい。

「多摩学」は、「多摩川における水防の課題」(水防意識が低い)、「市民農園の可能性」(地域活性化への貢献として)、「民話に観る多摩のライフスタイル」(生活圏・職による差がある)、「千人同心の蝦夷開拓にみる組織文化)(三段階組織から五段階組織へ)、「絹の道」(グローバル化に対応する新しい形の呉服屋も)。学長のコメントは、昨年やったこと、そして今年の広がりを確認した後、自然・食・民俗学・歴史・産業というようにそれぞれの発表をキーワードで括りながら説明するという方法。

「アジア経済」とどう向き合うか。ヒト・モノ・カネ・産業。アジア太平洋大学での留学生アンケート調査の結果報告。モノについては既存の枠組みに乗るのではなく日本独自のネットワークをつくる。カネはASEANを組む。産業は貧困の解決にNGOなどのネットワークを使う。
学長コメント。グローバル人材とはどういう人か、民族や地域に対するアイデンティティに深い造詣を持ち、その上で相手に対する理解をするという人材。語学よりも思想性が大切。TPP問題は産業と農業の戦いにしてはいけない、産業力で農業を支える知恵。アジアダイナミズムとどう向き合うのか。つながり、関連、問題解決、こういう視点での掴み方は参考になる。

  • 文庫カフェで学長を交え院生・学生の4人で歓談。手帳、ポラロイドの新製品、、、、、。

寺島さんに伊東屋が試作してくれたというシステム手帳の話題。私が入手したデジタルポラロイドの実演、これは大好評だった。文庫カフェの考え方と置いてある品物の蘊蓄、、、。

  • 金先生、長田先生、中庭先生と、いつもの蕎麦屋で、焼酎のそば湯割りを飲みながら歓談。

インターゼミの今年の総括をしながら、多摩大の将来について語り合う。いつものメンバーだが、楽しい酒だ。

34年前の渡部昇一先生(80歳)のベストセラー「知的生活の方法」の続編である。「私としても、恥など多くてもかまわないから、95歳以上は生きたいと思っている」」「この先やることが何も思い浮かばない人は、仏教に手を出すのも一つの道だと思うのだ。」「「時間は20歳の時には時速20キロで流れ、60歳では時速60キロで流れると感じられると考えればいいだろう」「ある国を知るひとつの方法は、その国でどんな本がベストセラーになっているかを見ることだと思う」「人の上に立つ人間ほど、朗らかで大らかで、寛容でなければならないと思う」
渡部昇一先生の本は今までよく読んできたし、ビジネスマン時代には韓国での先生の講演にアテンドしたこともある。空の上から富士を見て喜んでおられたことを思いだした。ソウルでは天気がよかったが「ソウルの秋」という言葉があるとおっしゃっていた。

以上、今日の日記です。