「庭の桜のように、息子は一瞬で散ってしまいました。」

この4月から私のゼミに入る予定だった小川元正君が交通事故で亡くなった。昨日がお通夜で、本日が告別式。平塚の葬儀場で行われた告別式に参列する。ゼミに入る20名ほどの1年生と一度懇談したが、私のメモには「コミュニケーション力を磨きたい」という希望が書かれてあった。
少し早めに会場について、ご両親にお悔やみを述べる。本当に残念だ。小川君は高校時代は山岳部。自民党河野太郎議員からも弔電。多摩大関係は学長と学部長のお花。弔電は加えて教授会からも。
父親の職場関係、親族らのお花が並ぶ。遺影は普段着の今どきの青年で、本当に若い。
喪主のお父さんの挨拶も心に響いた。
「平成3年5月2日生まれ。あっという間の19年だった。こんなに多くの方が見えて驚いている。息子は穏やかで人懐っこい性格だった。残念です。庭の桜のように、一瞬で散ってしまいました。」
先週の最初の授業のアンケートで「彼氏が亡くなった。彼の分まで勉強していきます」という言葉があったが、その人は来ていたのだろうか。
深い悲しみが会場を覆っている。一人の死は単なる一人の死ではない。その死を悼む多くの人の存在がある。今回の東日本大震災では行方不明者を含め3万近い人が亡くなっている。新聞で1万人、2万人という数字を見るが、その背景にはどれだけ多くの人の悲しみがあるかと思った。

 若人の葬儀慟哭あふれおり かかる悲しみ一万二万か

19歳。マスターズで20位と活躍した石川遼と、27位でベストアマの松山と同い年。

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朝日新聞夕刊に「凄腕つとめ人」というコーナーがあるが、そこに旧知の多摩信用金庫の長島剛さんが大きく紹介されていた。「引き合わせた企業の数 1年で3004社」「地域経営者の「よろず相談役」」という見出しだ。価値創造事業部部長となっていた。この春から長島さん、部長になったんだな。
多摩市・多摩大・多摩信用金庫の三者協定締結、永山にこの4月からできたインキュベーション施設「ビジネススクエア多摩」、志企業研究会での多摩地域の雇用力調査、など一緒にやるプロジェクトも増えてきている。信金を背負って立っている感じのこの人と会うと、いつもビジネスマン時代の自分と同じ匂いを感じる。こういう人が地域振興に向けて張り切っているのは心強い。