「国家エネルギー戦略」の視点

人事委員会、教授会を終えて、九段へ。途中、神保町で本を購入。

本日のインターゼミ(社会工学研究会)。
寺島学長。

  • アメリカ議会はデフォルト(債務不履行)を避けるため、11月23日までに債務上限を2.1兆億ドル引き上げて、10年間で2.4億ドル削減する案を与野党で合意しなければならない。
  • 過去40年間の外交努力の7割を中東で費やしてきた。縮むアメリカ。「アジア太平洋の世紀」といいTTP、APEC、ASEANへと外交攻勢。
  • 韓国経済の輸出は好調だが、ウオン安に歯止めがかからない。財閥系の特定分野は強いが底が浅い。(日本にはブランド企業が多い。このブランドは技術力によって支えられている)根底の技術は日本が握っているから、韓国は依然日本周辺国と言う見方もできる。通貨スワップ協定(危機に際し日本が韓国に金融面で協力する)も日本が韓国をサポートしているという意味もある。
  • 日本は絶不調だが超円高。これをどう説明するか。投資家はどう見ているのか?
  • 97年のアジア通貨危機時にはアメリカが救った。今回の欧州危機に際しては日本への期待が高い。アジアはどうなるのか?
  • 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会。今回第4回は寺島の発表の番。シンクタンクを率いている政策科学をやっている立場。強靭な国家にするために「国家エネルギー戦略」の視点で日夜考えている。「世界を知る力 日本創生編」5章。

ニコニコ動画で放送。2、7万人、3万人以上の国民が見ている。
http://sp.live.nicovideo.jp/watch/lv70868931?frompc

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寺島委員(財団法人日本総合研究所理事長)の発表のニコニコ動画からキーワードを以下にメモ。

  • 全体最適。最大多数。強靭なエネルギー戦略。視座と基本構想。中東情勢。覇権なき中東。構造変化。10年前の27ドルが98ドルに。原発は副次的・過渡的に。ギリギリ20%。12基動いている現状。一定以上維持すべきだ。国際責任。近隣アジアは原発ラッシュ。中国14から88基。30年に100基。専門性の高い人材の確保。作家・宗教家の文明論的視座からの発言も多いが、パンドラの箱は開けてしまった。技術的制御に向かう。平和利用に徹した国家統合管理の体制が必要。フランス型がいい。電力のマネーゲーム化。開かれた原子力。経営体制。ユーロトム。アジアに働きかけていく。外国人トップ。再生エネを2割。、これを3割に。化石燃料シェールガス革命。ガス化。非在来型ガス。省エネのトライアル重要。省エネ1割増、化石1割増。ドイツとの違い。近隣とのプラットフォームあり。日本にはない。それをどうつくりあげるか。ベストミミックス。
  • 原子炉技術の進化という論点。老朽は廃炉ゲイツの小型原発。3万5千人の技術者。保全技術者はいる。基盤を失わないように。知見を蓄積していくべきだ。日本の構え。2割にはこだわらない。自己目的ではない。なぜ国家管理か。自治体ではなく国家が正面にでて向き合わなければならない。原発は国家戦略として考えるべきだ。数字は方向感で出したものだ。
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  • 米中の覇権争いに日本が巻き込まれているというおびえの敗北主義の横行。日本が仕掛ける議論が必要。腹を据えて見つめよ。個人も企業も日本も。自立自尊。


3年生の石川健太君が、アフリカと南米の二か月半の旅から帰国した。その発表をしてもらった。
エジプト、ケニア、タンザニア南アフリカ。アルゼンチン、ボリビア、ペルー。エクアドル。アメリカ。70万円。そのうち飛行機代55万。今持っているキーワードは「挑戦」。
迫力のある発表だった。この体験をカントリーレポートと突き合わせてまとめよとのアドバイス。

ゼミ終了後は、金先生、長田先生と、いつもの蕎麦屋