音楽を聴くために歩き、気持ちよく歩くために、職場に向かう

年末から「歩く」習慣が続いています。

自宅から最寄り駅までは、小川に沿って緩いくだりですが、周辺の緑や花を愛でながら、徒歩15分。
二駅目の永山駅から多摩大まではほとんど上りで、厳寒の季節ですが、うっすらと汗をかきます。箱根の山の神・柏原になったような気がして、スパートをかけて最後の公園の中の階段を登りきると、職場である大学に着きます。この間25分から30分。
また帰る時も、駅までこの道を下っていくこともあり、新しい習慣が身に付き始めたところです。

10年ほど前の正月に突然ぎっくり腰になり、その冬は歩きに専念したことがあります。
当時住んでいた仙台での朝の散歩、そして東京出張時には、ビジネスシューズではなく見栄えの悪いハイキング用の重い靴を履くようになり、ホテルを出て朝に皇居を一周したり、東京駅から新宿まで一気に歩いたりするようになりました。だいぶ気合が入っていました。

このとき、行きつけの整体の先生からは、実年齢よりも15歳も若い体になったと言われました。
その年の5月に「図で考える人は仕事ができる」(日経)を上梓し、それが大きな話題になり、その後は出版や講演の依頼が集中したのですが、厳しいスケジュールを何とか乗り切ることができました。今から考えると、数か月前のぎっくり腰がその準備のためのきっかけとなったようです。ぎっくり腰がなければ、超多忙なスケジュールをこなすことはできなかったでしょう。

また、最近手に入れたボーズのクワイエットコンフォート3(QC3)というヘッドフォンはノイズキャンセリング機能が優れており、とても気持ちがいいので、歩きの時には、坂の傾斜も気にならないでいつの間にか越えていることもしばしばです。ベートーベンの田園や富田勲先生のシンセサイザー音楽を聴くことが多いですね。歩くためというよりも、音楽を聴くために歩くということにもなってきています。

そして、自分でも不思議なのは、電話で済むような軽い案件でも、そのためにではなく、歩くことが目的で大学まで行くことが増えてきました。本末転倒ですが、これも楽しいことです。

音楽を聴くために歩き、気持ちよく歩くために、職場に向かう。こういう循環になってきました。

こういった歩きは、夏場は暑くてできないので、冬が勝負です。冬の間に、この習慣が根付き、続けることができたら、どのような体になっているか、それが心にもどのような影響があるか、楽しみになってきました。