ブログ連続記入本日で2700日。村内美術館(八王子)。

朝の散歩。長池公園。炭焼き小屋と霜柱。

ロマン・ロラン著「ベートーベンの生涯」(岩波文庫)を読了。
1770年生まれのベートーベンは、「いよいよ25歳だ。一個の男の力の全部が示さるべき年齢に達したのだ」と手帳に書いた。しかしその直後から30歳の間に耳が聞こえなくなってくる。彼は人を避けて致命的な恐るべき秘密を隠していた。晩年の54歳で「第九交響曲」を指揮した時に喝采を浴びせた会場全体の雷鳴のようなとどろきは彼にはまったく聞こえなかった。
自身を「歴史家」と規定するロマン・ロランはベートーベンを「超人的な奮闘と努力との歳月の後についに苦悩を克服し天職を完っとう」したという。以下、ベートーベンの言葉から。

ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)

ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)

  • 一日一日が僕を目標に近づける。、、、少しも仕事の手は休めない。眠る間の休息以外には休息というものを知らずに暮らしている。
  • 悩みを突き抜けて歓喜に到れ!
  • 音楽は、一切の智恵・一切の哲学よりもさらに高い啓示である。、、私の音楽の意味をつかみ得た人は、他の人々がひきずっているあらゆる悲惨から脱却するに違いない。
  • 私のいつもの作曲の仕方によると、たとえ器楽のための作曲のときでも、常に全体を眼前に据えて作曲する。
  • 私は作曲が一度でき上がると後からこれを修正するという習慣を持たない。私が決して修正しないのは、部分を変えると全作品の性格が変わるということは真理だと悟ったためである。
  • 昔の巨匠の中で、ドイツ人ヘンデルとバッハだけが真の天才を持っていました。
  • ヘンデルとバッハとグルックハイドンの肖像を私は自分の部屋に置いている。それらは私の忍耐力を強めてくれる。
  • 八王子の村内美術館を訪問。


「家具は村内、八王子」と親しまれている企業を一代で隆盛させた村内道昌氏がつくった美術館を訪問した。
「日本一のバルビゾン派の美術館」というが、確かにミレー、コロー、クールベの3人の巨匠を始めとした秀作が並んでいるのは壮観だ。この立派な美術館の開館は1982年というから、今年でちょうど30年になる。館長の村内道昌さんは1930年生まれとあるので今年82歳で、まだ現役の経営者でもある。
1964年にスイスの世界一の家具専門店フィスターを見て、34歳で「日本のフィスターになる!」という志を立てる。それから5年後に村内ホームセンターをオープンし、「ティーカップからロールスロイスまで」のテーマパークのような店を目指して今日を築いている。
41歳、三多摩初の本格画廊「ギャラリーむらうち」を開設。50歳頃にパリのモロー美術館を見て感銘を受けて、52歳で待望の美術館を開館する。65歳、美術館新館が開館。バルビゾン派の絵画は、ベートーベンの交響曲第6番「田園」が似合うと村内さんは述べており共感する。


先日訪れた町田のロダンユトリロ専門館である西山美術館も、その地で創業したナックという会社を成功させた西山由之という経営者が建てた大規模で豪華な美術館だった。ロダンの彫刻52点、ユトリロの絵画76点だった。

成功した経営者が、その富を用いて名画や名彫刻を収集し、特色のある個人美術館を残す。そしてその美術館を永きにわたって多くの人が訪れて一流の芸術を堪能する。こういう生き方は最高のモデルであると思う。

  • 帰宅後、休憩しながらビデオで映画「nowhere boy」を観る。

息子が借りてきたビデオ。ジョン・レノンのデビュー以前の家庭環境とビートルズを結成する過程の同時進行を描いた映画。
なかなかいい映画だった。