「梅棹忠夫--知の探検家の思想と生涯」から

山本紀夫「梅棹忠夫--知の探検家の思想と生涯」読了。

以下、梅棹先生の言葉を本書から抜き出してみた。

  • 梅棹のモットー「自分足であるき、自分の目でみて、自分の頭でかんがえる」こと。
  • 「発見の手帳」をたゆまずつづけたことは、観察を正確にし、思考を精密にするうえに、ひじょうによい訓練法であったと、わたしはおもっている。
  • 「君たちがいる。そして、わしがいるではないか。われわれにやれなくて、だれがやるのだ。」(今西欣司。大興安嶺探検)
  • いままでは山登りは山登り、昆虫採集は昆虫採集で、なんの結びつきもなかったものが、生態学を媒介とすることにより、それが一つになる。
  • つぎつぎに横にあるいて、のちには、ついに学問の二大分野である自然科学と人文科学との垣根をもこえて、民族学を専門とするようになってしまった。
  • 「関係」を現象的に把握する方法として「干渉」という概念を提唱する。
  • 生態学的手法を人間に適用することによって、人文・社会科学の方面にゆるやかに転身しようとはかって「いた。
  • 旅行と知識は同義語である。機会をとらえて、日本をあるこう。
  • 遷移(サクセッション)。主体と環境の相互作用の蓄積によって、新しい生活様式に変化する現象。
  • 岩波新書「南極越冬記」
  • 写真ではあかん。写真では細部の構造がわからへんのや、目で見て、構造をたしかめて、その構造を図に描くんやからね、ようわかる。
  • 方法さえよければ、語学は一か月でいちおうはものになるものだという確信をえた。、、その方法とは、まず現地でまなぶことである、一日に300のあたらしい単語をおぼえることは、すこしもむつかしいことではない。
  • 後世の子孫から「ご先祖さま」とあがめられ、まつらえれたい、ということであります。
  • 衣食足りて頽廃をしるのである。
  • 研究業績を展示するための書架の設置、研究広報誌「民博通信」の末尾に掲載された教官の刊行物一覧、業績(著書に限定)を展示するための館長室の書棚設置、、。
  • 立つ本を作れ。一年間に1000枚は書け。
  • 各個研究と共同研究
  • 大部分が他人の著書の引用と紹介で、独創的部分はごくわずかだ、ということがおおい
  • 二番せんじは、くそくらえ、だ
  • 未知のものと接したとき、つかんだときは、しびれるような喜びを感じる。
  • 梅棹忠夫・山と探検文学賞」(2010年)。本賞の創設がきっかけとなって、登山や探検活動がさかんになり、おおくの人びとの心に「未知への探求」の火が燃えさかることをねがっております。

私自身大きな影響を受けたこの偉大な学者の著作集に挑戦しなくてはならない。