ブログ本の歴史


2004年から2012年までのブログ本「今日も生涯の一日なり」を並べてみた写真。
1pは1000字(原稿用紙2.5枚)なので、単行本(300枚)で8.6冊となるが、写真もあるので、1pが2枚とすると2072枚であり、単行本7冊分程度とみるのが妥当だろう。1年間で2000枚以上の原稿を生産したことになるのには自分でも驚いてしまう。

2004年9月28日--2005年12月31日   471P A5判 自費出版 10冊(自分用・親兄弟用)
2006年              513P A5判 自費出版 10冊(自分用・親兄弟用)
2007年              657P A5判 自費出版 10冊(自分用・親兄弟用)
2008年              870P    はてなブック3分冊 1部(自分用)並製
2009年              912P    はてなブック2分冊 1部(自分用)並製
2010年              854P    はてなブック2分冊 1部(自分用)上製本
2011年              881P    はてなブック2分冊 1部(自分用)上製本
2012年             1036P    はてなブック3分冊 1部(自分用)上製本

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キケロー「老年について」(岩波文庫)読了。

老年について (岩波文庫)

老年について (岩波文庫)

古代ローマの哲学者・政治家・キケロー(BC106-43)の傑作。
老年の惨めさと言われる理由。
1.公の活動から遠くなる。
2.体力が弱くなる。
3.快楽から遠くなる。
4.死に近い。

それぞれを主人公の84歳の大カトーは否定する。以下、書いてあることを自分の言葉で書きとめた言葉。

  • 1.活動について。

思慮・権威・見識で大事業を成し遂げられる。若者は無謀、老人は深謀。熱意と勤勉の持続によって知力はとどまる。次の世代のために木を植える。

  • 2.体力について。

体力の衰えは青年期の悪習の結果だ。体力を欲しがり過ぎることはない。円熟。鍛錬と節制によって往時の頑健さを保てる。弱い老人は病弱の人に過ぎない。病と同じく老いとも戦わねばならない。ほどよい運動と体力の回復のための飲食。肉体、精神、心を労わる。だらしなく老年に屈するな。知力と精神の鍛練。

  • 3.快楽について。

快楽ほど忌まわしく害毒のあるものはない。肉体的な快楽より友との会話。快楽の疼きはそれほど多くない。研究や学問という糧があれば閑のある老年は喜ばしい。老年の誉れの最たるものは影響力だ。名誉公職にある老年には高い権威がある。よき老年は青年期の基礎の上に打ち建てられる。まっとうに生きた前半生は最後に権威という果実を得る。性格の欠陥であり老年の咎ではない。老年は欲望に支配されなくなる。

  • 4.死について。

死は老年と青年とに共通のものだ。老人の死は成熟の結果であり自然なことであるが青年の死とは力づくで奪われることだ。青年、壮年、老年と人生の全ての局面で仕事に満ち足りることが人生に満ち足りることになる。人間はそれぞれふさわしい時に消え去るのが望ましい。

この老年賛歌の書物は、老年が悲惨であるとのそれまでの常識を破り、老年を謳いあげた最初の書物である。
老人になることを憂うのではなく、どのような老人になるかをテーマとすべきだと思う。老年に向かう考え方に共感する。