丹羽宇一郎「北京烈日」(文芸春秋)--日米中正三角形論

丹羽宇一郎「北京烈日」(文芸春秋)を読了。

伊藤忠商事の社長・会長として業績を急回復させ、その後政府の経済諮問会議メンバーや地方分権改革推進委員会委員長をつとめた。2010年6月から2012年12月まで中国大使。
尖閣で揺れた中国外交の現場責任者の報告は聞くに値する。

  • 尖閣問題。領有権は日本にあるが、外交上の係争は存在する。
  • 原子力技術は放擲出来ない。人と技術を育てるべきだ。
  • ブルーカラーの教育程度が日本経済の帰趨を決める。
  • まず人間としての教育から始めること
  • 利益の根源に迫れ
  • 20年続いたから、そろそろ中国の成長も終わり。5-6%。
  • 日本は「質」の世界で
  • 2013年度国家予算で中国は教育・社会保障・食糧・公共事業の民生4部門に47%を支出。
  • 台湾の企業と組んで中国に進出
  • 中国は後数年でストライキが頻発する
  • 大学は成績の悪い者は落とす。企業に入ってからも働きながら学べる環境を整備する。一種の高等教育。
  • 中国共産党の正当性が希薄に
  • フェイスツーフェイスで永く付き合えば日中関係は必ずよくなる-
  • 日米中の三角形を確固たるものにする。それも正三角形にしないといけない。
  • 人は仕事で磨かれ、読書で磨かれ、最後は人で磨かれる。この三部作。