草間弥生展--分裂性女性天才画家

大分市美術館で開催中の「草間弥生展--永遠の永遠の永遠」を観る機会がった。
私にとっては謎の芸術家である。

1929年松本生まれ。
10歳で水玉と網模様をモチーフに絵を描く。幻視と幻聴を体験。
16歳で初入選。28歳で渡米。29歳初個展。44歳帰国。49歳で小説「マンハッタン自殺未遂常習犯」。54歳で小説「クリストファー男娼窟」が野生時代新人賞。71歳芸術選奨文部大臣賞。72歳朝日賞。80歳文化功労者

草間弥生は、網目や水玉のパターンが増殖する常同反復の作品を70年間にわたって描き続けてきた。自分を前衛芸術家と規定している。ずっと幻影に苦しんでいる。

会場のビデオで「ピカソも出し抜きたい。トップになりたい」と語っていた映像を観る。
ニューヨークでは、反戦・反体制のハプニングの女王と呼ばれた。
現在は精神病院を拠点にアトリエに通う。強迫神経症で自殺の恐怖と戦うために絵を描いている。絵の力で生きている。東山魁夷も絵を描いていないと何をしでかすわからないと語っていたことを想いだした。「描きまくって死ぬの。1000枚でも2000枚でも」「闘っている」。
恐怖を創造の力で抑え込んでいる。

信州大学の初代精神科教授の西丸四方(19010−2002)は主治医の立場で本物の抽象画を描く草間を見ている。精神神経の学会で草間を題材として「分裂性女性天才画家」という演題で発表している。

84歳の草間は「時よ、待ってくれ。私はまだ仕事がしたい」とも言っている。

草間は2000年頃から国内での大規模な個展を相次いで行っているので、よく名前を知られるようになった。東京でも何回かチャンスはあったが観ることができなかったが、ようやく旅行先の大分で観ることができた。

草間の詩がいい。

  • 、、、わたしは芸術の盾を持って、もっともっと人間としてのぼりつめていきたい。宇宙の果ての果てまで心の高揚にすがりついて生きて生きたいと祈る」(未来はわたしのもの)
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  • 取り組んでいる本の原稿の週末の執筆のノルマを達成。
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同時代史

  • 2020年のオリンピックが東京に決定。目標と方向ができたので力を結集していけるだろう。
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