佐藤優「21世紀の国際秩序の転換と生き残るための日本外交の戦略」

16時半:半蔵門宝島社で取材を受ける。12月発刊の手帳ムック。ブランドムックというブランドの景品付きの雑誌などが売れ筋らしい。別冊宝島のファンだったこともあるが、今はあまり勢いがないそうだ。

  • 19時:日本工業倶楽部で寺島文庫塾リレー講座。本日の講師は佐藤優さん。中津北高の松田君も参加。テーマは「21世紀の国際秩序の転換と生き残るための日本外交の戦略」。以下、要約。

    • アメリカはレッドゾーンを超えると攻撃してきた。今回のシリアはロシアを味方につけたアサドの勝利で幕。しかし後で動乱になるかも知れない。
    • 日米中のそれぞれの帝国主義の均衡は、尖閣で崩れた。
    • 尖閣は日本固有の領土」はあやしい。
    • 沖縄独立論にも現実味。日本は沖縄の国民統合に失敗。反基地闘争は反差別闘争に転化。沖縄の基地移転は流血の惨事を引き起こす危険。そうなれば全基地が使えなくなる。沖縄県民の自己意識しだいでは大変なことになる。
    • TPP:サトウキビは聖域。オーストラリアを譲歩させる。砂糖が自由競争になったら沖縄の離島は無人島化し軍事的に問題あり
    • 武器輸出三原則の緩和:非核のオーストラリアは中国の脅威の防衛として潜水艦が必要。ディーゼル潜水艦は太平洋では日本製のみ。イスラエルが買うF35戦闘機の部品の40%以上は日本製品
    • 自民党安倍政権は世界の総てを敵にし始めているのではないか。民主党政権の時の方がアメリカとはうまくいっていた。
    • ナチスに学べ:目に見えない憲法はドイツ民族の中にあり、それはヒットラーが体現。普通法を次々とつくっていけば実質的な憲法改正。心配している。
    • リベラルの再構築が必要。違う軸。
    • 竹島の動画に何の意味があるのか。領土についての係争があるとは言っていない。
    • 尖閣は日本が実効支配しているのだから騒ぐべきではない。
    • 北方領土:ロシアの恫喝外交に日本外務省は反論せず。腰が引けている。プーチンは解決したがロシア外務省はそう思っていない。
    • 帝国主義の時代には、ミクロとマクロの両方が重要。
    • 朱建永事件:誰がやられてもおかしくない。反日キャンペーンになるかもしれない。永住権を持つ人だから日本は介入しなくてはならない。人道的見地から。
    • NSCは戦争をするかしないかの決める機関。秘密保護法とパッケージ。警察と検察。恣意的な逮捕。スパイ狩り。暗い時代に。
    • アメリカの人口動態。非白人は37%。2050年には逆転。共和党のあせり。