多摩大リレー講座:寺島学長「2014年という年の持つ意味」

多摩大リレー講座2014年春学期が本日から始まった。
初回は、寺島学長の「2014年という年の持つ意味」。
6年間のリレー講座は、144回、受講者は7万人以上。今回は一般受講363名(過去最高)と学生217名の計580名が受講。

  • 世界観と時代認識。外は広く、内は深い。全体知。トータルな知性、生きる構え。時代の解説ではなく価値に踏み込んでいる。思想・哲学・宗教など考え方の軸が必要。あるべき方向感。
  • 一つは「株が上がってめでたい症候群」。
  • 外人投資家(ヘッジファンド)は4月4日時点で15.7兆円ほど買い越し。。日本は機関投資家5.7兆円、個人投資家8.8兆円、計14.5兆円の売り越し。外人が買って、日本人が売り抜く構造。外人は年明け以降1.2兆円売り越してきたがまだ売っていない状況。バブル崩壊以降、日本人の資産家が没落。この株価上昇でギンザノミクス。
  • アベノミクスで通貨切り下げ。円安となったが輸出が伸びない、輸入インフレ、格差と貧困の拡大。
  • 欧州、ロシア、新興国はよくない。したがってまだ外人の株投資資金は日本に滞留。
  • 日本一人あたりGDPは3.9万ドル。世界23位、アジア3位。シンガポール5.3万ドル、ブルネイ4.3万ドル。香港3.8万ドル。貿易は赤字に。経常は4ヶ月連続赤字に。
  • 脱工業化モデルで一人5万ドルにするにはどうするか。シンガポールモデル(医療・教育・カジノ、、)。デンマークモデル(5.8万ドル。IT・バイオ、)。観光立国、産業としての「観光。IR(インテグレイテッド・リゾート)。
  • クリミア問題:石油130ドルと高騰。エネルギー制裁ができるかがカギ。EUは脱ロシアカードは切れない状態。日本はロシアのウクライナ併合で股裂き状態。
  • 中国はリコノミクスで引き締め。ロシアには金は向かわない。日本の成長戦略を見極めている状態。
  • アメリカは実体経済が良くなってきている。金融引き締め。エネルギー革命(シェールガス・石油)とIT革命パート2(クラウドビッグデータ)。雇用量が増加。資金はアメリカに向かうか?
  • 日本の成長戦略が重要な局面。アベノミクスは外人主導の株高幻想に終わる可能性。ビジョン計画から具体策へ。観光立国、自動車以降の産業サイクル、食糧自給、、。
  • 一つは「プチ・ナショナリズム症候群。中国・韓国になめられやくないという意識。日本のイスラエル化お危惧。やっかいな同盟国化。日本に巻き込まれて米中戦争にならないか。2月10日の在日米軍司令官発言「軍事介入はしない」。アメリカの東アジア政策は影響力の最大化だ。中国とは米中戦争を避けるという合意。