「ピクサー成功の魔法--大ヒットを連発する革新的ビジネスモデル」(PHP)を読了。
- 作者: ビル・カポダイ,リン・ジャクソン,早野依子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ディズニー精神が消えて崩壊寸前だったディズニーを立ち直らせたピクサーの秘密を解いた書。
原題は「Innovate the pixar way」。
1995年の「トイ・ストーリー」の大ヒット以降、ピクサーは連戦連勝。
10本の興業成績は全世界で48億ドルで、制作費は10億ドルである。全ての作品が全米と世界でヒットを続けている。そして「アナと雪の女王」も現在空前の大ヒット中だ。
ピクサーはディズニー傘下に入ったが、実際はピクサーがディズニーの主導権を握っている。そのピクサーはこの本の冒頭に「夢を見て、信じて、挑戦して、実行する力を我々にくれたウオルト・ディズニーに捧げる」と引用されているようにディズニーの後継者である。
創作集団を活性化し、芸術と技術が織り成す壮大なストーリーを完成させ、それを継続していくことは並大抵のことではない。ここでは、その秘密を創り出した数人の天才の言葉を追う。
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ウオルト・ディズニー
- 変化と変革が絶え間なく行われ、技術と芸術が一体になった時にこそ、魔法が起こる
- 我々が生きる指針とし、作品を通して子どもたちに伝えている思想が、生き続けるか消えるかは、我々がいかに自由に自分の考えや気持ちを交換するかによって決まる。
- 私は探究心の強い人間で、気に入らないもんを見ると、なぜこれはこんなふうなのか、どうしたらもっとよくなるかとつい考えてしまうんだ。
- 私は批評家たちを喜ばせることに興味はない。だが、観客を喜ばせるためなら、一か八かの可能性にも賭ける。
- 不可能を実行するのは楽しい。
ジョン・ラセター(「アナと雪の女王」制作総指揮者。ピーター・パンを自称)
- どんな細かい点も精査し、デザインし、形成し、影をえ描き込み、配置し、ライトをあてなくてはいけない。
- スティーブ・ジョブズは僕に、「ピンチの時には、新しい人材を探す暇はない。身近にいる人員を総動員して、彼らを信じるんだ」。
エド・キャットムル(ピクサーおよびディズニーアニメーションスタジオ社長)
- 20年もの間、僕は世界初のコンピューターによるアニメーション映画をつくるという夢を追いかけ続けた。
- 映画づくりに関わる者たちには、どんなに些細な業務いおいても創造力を生かすための自主性を与えなくてはいけないんだ。
- 凡庸なチームに良いアイデアを与えても、台無しにしてしまうだけだ。だが、凡庸なアイデアを優れたチームに与えると、素晴らしい成果を上げるんだ。
- 社員は「共に問題を解決し、支えあうためのネットワークを築ける人間」。
- 創造的な問題解決法。
- マネジメントの仕事は、リスクを防ぐことではない。失敗した時に立ち直るだけの力量を築き上げることなんだ。
- プロジェクトが完成したら、「違うやり方をすればよかったと思うこと」と「このやり方でよかった」と思うことをそれぞれ5つ挙げよう。
ランディ・ネルソン(ピクサー大学学長)
- 度量のある人とは「他人を増幅させることができえる人のこと」。、、「それはダメだ。こっちのほうがいい」ではなく、「それでいこう、その上でさらに、、、」を合言葉にする。
- ディズニーのプラシング(プラスする)。「どうしたらこれに何かをプラスできるか? どうしたらもっと良い仕事をすることができるか?を考えるんだ。
- アイデアを、言葉だけではなく絵や図にして提示しよう。チームのメンバーの視野を広げ、何に専念すべきかを明確にすれば、彼らはその世界観を肌で感じることができるはずだ。、、絵で描かれると、そこに新しい可能性が見えてくる。、、絵コンテがあれば彼らは匿名で自分の考えを提示することができるんだ。
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この本にはチームで創造的な仕事をするヒントが詰まっている。そのヒントを関係者の言葉で紡ぐことで成功している。こういった思想や方法は、あらゆる仕事を創造的に行うときに必要なことであり、問題を創造的に解決することにヒントをくれる。