「2014年秋、世界の構造変化と日本が置かれた位置」

夜は、寺島文庫リレー塾の1回目。
今期は「ユーラシア激変の中での日本」。
講師は、寺島実郎の外に、田原総一郎佐々木毅藤原帰一、李などの論客。
日本工業倶楽部の会場は満席。

本日は寺島実朗さんの「2014年秋、世界の構造変化と日本が置かれた位置」。

  • 2014年秋の空気:アベノミクスの株高幻想とプチナショナリズム
  • 日本人の弱点は近代史。歴史観の欠如。だから戦後民主主義から簡単に国家主義の誘惑に揺れる。
  • アメリカから帰国して、20世紀とは何だったのかを考えるために「1900年への旅」を6年間連載。次に自分の目撃した時代の裏側を見つめるために「戦後に恩と日米同盟」を連載。次に近代を考えるために「17世紀オランダ論」を連載。立体世界の試み、グローバルヒストリー。これから、白石、徂徠、宣長国学小林秀雄吉川幸次郎)、蘭学に進む予定。生命史と人類史。世界を歩いている立場で近代を見つめるというアプローチ。
  • 第一次世界大戦から100年。結末はハプスブルク家の崩壊。4つの帝国の崩壊(ドイツ・オーストリア「ハンガリーオスマン・ロシ)。欧州の中心ウイーンはイスラムから二度包囲された。1529年のスレイマン1世、1683年のムスタファパシャ。オスマンの脅威。
  • 欧州には1500万人のイスラム人がいる。ドイツ400万、イギリス200万。不法移民。抑圧されたイスラム。これがテロリストの温床。イスラム国は51カ国の多国籍軍。シュミット「21世紀最大の課題はイスラムとの対話だ」。
  • アメリカの存在感の低下と実体経済の好調が同時進行。湾岸産油国カタール・サウジ・UAE)だけは守るが、その周辺では動けない。アメリカンはエネルギー革命。2013年の原油生産は世界一。ビッグデータなど次世代ICTの活況。GDP3%アップ。失業率は6.1%。超高速取引、マネーゲームによって世界の格差は拡大。格差と貧困の拡大・。
  • 中東:地域パワーの台頭。イラン・トルコ・ロシア。
  • 米原子力共同体。ウェスティン東芝、GEは日立、アレバは三菱。日本製鋼室蘭。IAEAには50人の日本人。予算の3割は日本の核武装の監視。日本は潜在核保有国。200トンのプルトニウム保有。総合的な原子力政策が必要。