財務省税関研修所の「関税技術協力研修(実務)」に出講

財務省税関研修所の「関税技術協力研修(実務)」に出講。
千葉県柏の葉の研修所で9時半から12時20分。今年で3年目。
「図解思考を用いた国際コミュニケーション力の向上」がテーマ。
「国際協力人材に必要な、「理解」、「思考」、「伝達」の総合コミュニケーション能力を、図解思考を用いて身につける」ことを目的としている。

税関の所属する関税局の「関税レポート」によると、2100年で日本の国税収入は45兆、そのうち税関収納額は5.6兆である。実に12.5%の税収を、8800人の税関職員であげているということになる。
日本の税関は世界有数の水準であり、途上国の税関に様々な協力・支援を行っている。その一環として、ODA(政府開発援助)を使って、日本に途上国の税関職員を招く研修を行っている。
本日の受講生はその教官となる英語に堪能な税関書職員たちだ。

どんな教科があるか。
「我が国の関税技術虚協力」「関税技術協力実施の流」「WCO(世界関税機構)の概要」「税関近代化」「WCO診断フレーム」「教授法」「講義技法」「特別講座」(図解プレゼン)」「特別講座(派遣専門家実務」。外部講師は二人のみ。

東京税関、横浜税関、名古屋税関、大阪税関、神戸税関、門司税関、長崎税関から13人が受講。
分野は、原産地規制、知的財産、評価・事後調査、リスク管理
税関で10年から20年になる職員たちだ。男女は半々。

  • 貿易収支:2010年10.7兆円の黒字、2005年8.7兆円の黒字、2010年6.6兆円の黒字。そして2011年2.6兆円の赤字、2012年7.0兆円の赤字と赤字体質が定着。東日本大震災原発停止によるエネルギー輸入コストの増加が主原因。
  • 税関収納額:2000年3.9兆円、2005年4.9兆円、2010年5.0兆円、2011年5.6兆円。上昇中。
  • 税関の歴史:1853年のペリー来航に端を発して、1859年の函館、神奈川、長崎の開港で運上所を設けた。1872年位運上所を「税関」と呼称統一。1890年、税関法を施行。太平洋戦争後の1946年に税関再開。
  • 179か国・地域が参加するWCO(世界税関機構)のトップである事務局長は日本人。この機関の予算は16.8億円。日本の分担金は1.6億円。WCO全職員160名のうち11名を派遣している。
  • 世界最高水準の行政サービスを提供するという高い志をもった税関職員を育成
  • 日中韓知的財産権作業部会
  • 密輸:あへんは全滅。大麻が大きく伸びている。中古自動車の燃料タンクから覚せい剤、パソコン内部にコカイン、木箱の底板に覚せい剤、、。

終了後のアンケートから。
「目からウロコ」と書いた人は2人だった。
「英語では図が描けないと思ったがそんなことはない」「言語を問わずさまざまな場面で図を役立てることができる」「図は世界共通」「海外の途上国の税関職員に伝えるのに有効」、、、。

やはり図解はグローバル時代の国際コミュニケーションに役立てることができることは間違いない。