星浩「官房長官 側近の政治学」(朝日新書)

星浩官房長官 側近の政治学」(朝日新書)を読了。

側近、女房役、番頭、内閣の顔、と呼ばれる官房長官を政治家者が分析した書。
1985年以来30年間の政治記者生活で直接取材した官房長官は30人を超えるというから、任期の平均は1年。
官房長官の強さの秘密、仕事の中身、首相との距離、支える組織、機密費、側近の政治学などが縦横に語られている。
官房長官の3傑は、情報の後藤田、バランスの福田、ペースチェンジの大平だそうで、この人選には納得できる。

官房長官 側近の政治学 (朝日選書)

官房長官 側近の政治学 (朝日選書)

興味深いのは、現在の安倍政権を支える菅官房長官のロングインタビューだ。

  • 全部私の手元に集まってきます。、、権力もそれなりに集中してきます。そこに気をつけてやっていけば、いろいろなことができる
  • 役所の利害調整は、意外に楽です、政権与党との調整が大変です。
  • 方向性をきちっと出したら、それに基づいて役所も動いてもらう

−役所は本当のことを言わないことが結構ある

  • 総理に判断を仰ぐケースを、できるだけ少なくしよう、、、。「総理、こうしたんですけど、よろしいですか」という言い方にしています
  • 危機管理が一番神経を使います
  • 国民から見て当たり前のことをやれば、まったく怖くない