岡田斗司夫「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」

岡田斗司夫「僕たちは就職しなくってもいいのかもしれない」(PHP新書)を読了。

お金を神とする貨幣経済の時代から、尊敬を神とする評価経済の時代へと移行中であるというのが岡田斗司夫の時代認識。
今は評価経済の高度成長期という面白い時代に遭遇しているのだそうだ。

評価経済においては、人間の値打ちが重要になる。それは「いい人」になるということ。最小単位は「注目」。次の単位は「評価」(ほめ)。
それは3つのCで決まる。コンテンツ:キャリアに近い。仕事の総和。コミュニティ:仲間関係。キャラクター:人柄、人格。もっとも重要。
平たくいうと、何ができるか、仲間がいるか、人柄はいいか、ということになりそうだ。
コミュニケーションの下手な「関係弱者」へのアドバイスは「毎日5つ、人をほめる」ことを提唱している。
ほめてツイート(ツイッター。LINE)。リアルでほめて紹介する(人と会ったときにほめながら紹介する)。ネットでほめて語る(ブログ、FBでの誰かの発言にほめる)。けなす、批判、アドバイス、提案がしない。人にほめられたら、自分や相手以外の人をほめて、「ほめ」を流動させる。これが評価経済市場で生き残るポイントだとのアドバイスがある。

評価という言葉には緊張が伴う。人事評価という言葉には正確性などの面での反論が俟っている。評価には数字などが入ってくるので評価される側は緊張する。そしてその評価には納得しない可能性がある。
ということで、岡田のいう評価経済は「評判経済」という柔らかな言葉に変えたらもっと広がりをもつのではないかな。評価を高めようから「評判」を上げようへの転換。これもアドバイスだから、よくないのかもしれないが、、。

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文芸春秋12月号から。

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