「ロイヤル・アカデミー展」(東京富士美術館)

八王子の東京富士美術館で開催中の「ロイヤル・アカデミー展」を観てきた。最終日だったので、多くの人が訪れていた。

英国は美術の後進国だった。これを打開するために設立された。
合言葉は「イングランドを大陸美術の最盛期と同じレベルにするために」であった。

「外国のアカデミーに匹敵する教育を、我が国の学生たちが受けられる学校である」とした目的を持ったロイヤル・アカデミー・スクールは1768年から1918年まで140年間続き、風景画家の巨匠・ターナー、ウオーターハウスなど多くの芸術家を生んだ。

このスクールでは歴史上の優れた絵画や建築の例を参照し、それに学ぶことが重要とされた。実物そっくりに描くのに必要な基本技術を身に着けるには、人体の解剖図に基づくスケッチを学ぶこと、逆にモデルを徹底的に観察すること、この二つの考え方があった。両者とも重要だという考え方にたっていた。

この絵は「1875年度のロイヤル・アカデミー展出品審査会」を描いたコウプの絵の半分である。
アカデミーの会員たちの表情やまなざしなど審査の様子がわかる。この場でパス、拒否、保留が決められた。