六本木の美術館--チューリッヒ、ティム・バートン、リー・ミンウェイ

時間が空いたので美術館等を訪問しようとしたが月曜日は閉館が多い。
六本木の美術館は月曜日も開館しているので訪問。

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六本木の国立新美術館で開催中の「チューリッヒ美術展」。
日本とスイスの国交樹立150周年記念。10万点以上の収録物の中から74点が来日。
中立国というスイスの立場は多くの芸術家を引き寄せた。3分の2は市民からの寄贈という市民が育てた美術館だ。印象派からシュールレアリスムまで各時代の代表作がお目見え。
モネ、アンリ・ルソーゴッホゴーギャンホドラー、ボナール、ヴァロットン、ムンク、べっく万、マティスピカソ、ブラック、クレー、カンディンスキージャコメッティシャガールブルトン、キリコ、エルンスト、ダリ、、、。
印象に残ったのは、モネ最晩年の「睡蓮」の大作、ホドラーの「真実」、オカンディンスキーの「色と音色」など。

ホドラーはパラリズム(平行主義)を確立。類似した形態の反復によって秩序や統一性、リズム感を表す。
フォーヴィズム(野獣派)は色彩のコントラストをきかせた大胆なタッチ。
キュビスムは世界を立方体(キューブ)の集まりとみて、あらゆる角度から観察し一つの平面にまとめていく。
抽象画は世界の再現というテーゼから完全に解放されて再現をやめた。
シュールレアリスムは偶然性を導入。

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六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中野「ティム・バートンの世界」展。
1958年生まれのティム・バートンは映画「バットマン」「シザーハンズ」など独特の世界観で多くのファンを魅了しており、若い人に人気がある。それはこの会場の若い人の混雑ぶりでわかる。
映画監督、イラストレーター、著作家、美術家であるバートンは、コミカルで奇怪なものや愛らしいものを創りだす名手だ。
ディズニー兄弟がつくったカリフォルニア芸術大を出て、ディズニー・スタジオでアニメーターとして働く。
創造的なアイデアを出しつくしたが、どれ一つとして採用されなかった。しかし独自のスタイルを貫いた結果、ようやく光があたってきて大活躍を続けている。
表現とは外(ex)に向かって押し出す(press)ことであり(表現守護)、逆に外界の光や色彩から受けた外圧を内(im)に押しつけるのが印象である(印象主義)、という説明が千足伸行文章の中にあった。
バートンはゴッホを好きで「ゴッホの絵はリアルではないけど、それを本物にしてしまうエネルギーを獲得してしている」と述べている。

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六本木の森美術館で開催中の「リー・ミンウェイとその関係」展。
李明維の個展。
1964年台湾生れ。14歳で渡米。
関係性の美学。リレ^ショナルアート。参加性。つながり。あいだ。継承。贈与。信頼。
以上が彼のキーワードだ。