オーディオブックで「利休にたずねよ」(山本兼一)を聴き終えた。読了というのか、どうか。。
febeで1296円。14時間4分。製造はオトバンク。ナレーターは芥川亜郎。
http://www.febe.jp/product/164580
直木賞受賞作品のオーディオ版。
- 作者: 山本兼一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 文庫
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茶聖・千利休が秀吉の不興を買って切腹する日を軸に、少しづつ年月を遡っていくという鮮やかな構成に感心した。
「侘び・寂び」の本質が見事に説明されている。
利休の「利」とは利益ではなく鋭さの意味。それを休めて押さえ丸くして鈍くせよという意味でもらった名前だ。
「侘び・寂び」とは、侘しい、寂しいというマイナスの状況に美を見出すという日本的感性をあらわすという理解をしていたのだが、この本でその中に新しい命の躍動を感じるという高い境地を言うということがわかった。
このオーディオブックでは、朗読の背景に湯茶のわく音、戸の閉まる音などをが入っており、ドラマ仕立てになっていて、心に沁みてくる。
ミステリー、恋愛小説、歴史小説、という様々な面が組み込まれている傑作だ。
こういう小説を耳で聴くのはなかなかいい。