映画「バンクーバーの朝日」

映画「バンクーバーの朝日」。

1914年から1941年にかけてカナダ・バンクーバーに実在した日系カナダ移民の二世を中心とした野球チーム。地元のアマチュアリーグで、ブレインベースボル(頭脳野球)・スモールベースボールで活躍し西海岸のリーグで優勝する。人種差別という壁を超える象徴となったが、1941年の太平洋戦争勃発で、敵性外国人となり強制移住させられる。2003年にはカナダの移民社会、野球文化への功績が認められ、カナダ野球殿堂入りとなった。その物語だ。

監督は「舟を編む」の石井裕也監督。「自分たちは弱いとちゃんと認識して、考えた末に彼らがとた打開策がバントや盗塁だったというのは、すごく面白いし素敵です」「自分なりにすごく手ごたえを感じているんです」
脚本は、「学校の怪談」の奥寺佐渡子。「戦争の影が忍び寄る1938年を背景」「収容所まで描くことで若者たちの青春の終わりを表現」

1968年(明治元年)、153人がハワイのサトウキビ農場へ渡った。彼らは「元年者」と呼ばれた。
第二次大戦以前にはハワイへは23万人、アメリカ11万人、ブラジル19万人、カナダへは3.5万人が渡った。
カナダへは、和歌山から始まり、広島、福岡、滋賀から渡った移民が多かった。
滋賀県出身者は製材所、山奥での馬刺し・鉱業は熊本県出身者、ニシンやサケなどの漁業は和歌山県出身者。

戦後、二世たちは戦時中の差別的政策に抗議を繰り返し、リドレス運動(補償問題)として1988年に結実している。

移民についてはカナダは盲点であったが、苦闘の歴史、そして戦争の影がここにもあることがわかった。

バンクーバー朝日軍―伝説の「サムライ野球チーム」その歴史と栄光

バンクーバー朝日軍―伝説の「サムライ野球チーム」その歴史と栄光

伝説の野球ティーム バンクーバー朝日物語

伝説の野球ティーム バンクーバー朝日物語

自宅でテレビを見ていたら、石井裕也監督の「舟を編む」をやっていた。
素晴らしい原作は読んでいたが、映画は見逃していた。

今日は映画を楽しんだ日となった。

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今日の収穫

  • むかし景気のよかったものは、復古を主張し、いま景気のよいものは、現状維持を主張し、まだ景気のよくないもおは、革新を主張する。(魯迅
  • 生きることは生涯をかけて学ぶべきことである。そして、おそらくそれ以上に不思議に思われるであろうが、生涯をかけて学ぶべきは死ぬことである。(セネカ
  • ひとり、燈(ともしび)のもとに文(ふみ)をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。(兼好法師
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今日の一句

  • 老年を 熟年と呼ぶ 年の暮れ
  • 同窓会 人生の垢 落としゆく
  • 戦前と 呼ばぬ日祈る 去年今年